三番山「鳳凰山」の神前奉芸です
芸題は「心中宵庚申 八百屋の献立」
近松門左衛門晩年の心中物の傑作
心中物と言えば大店の若旦那と遊女が登場する話が多いが
「心中宵庚申 八百屋の献立」は相思相愛の男女が心中する普通ではあり得ない物語
武家出身の養子半兵衛
女房の千代とは人も羨む相思相愛の仲
家を取り仕切っている後妻のおくま、ねじ曲がった性格の悪婆
半兵衛に色目を使い、邪魔になる千代を何度も追い出している
半兵衛に千代を離縁しなければ自分は死ぬと迫り、襦袢姿で店の前で物乞いをする有様
余談だが1984年放送のNHKドラマスペシャル「心中宵庚申」の予告映像を見ることができる
半兵衛役は滝田栄、千代に大地喜和子、おくま役は音羽信子 特に音羽信子の嫁いびり演技は見事
困り果てた半兵衛は千代に離縁状を渡し
追い出してしまいます
おくまは満足そうに化粧をして
半兵衛を口説きにかかります
一言で片付ければ、義母のハラスメントに耐えかね心中の道を選択した夫婦の物語
庚申待ちの宵、二人の心中に向かう道行です
半兵衛・・ 半兵衛・・
ありがとうございました~
2024年5月 岐阜県垂井町