有料桟敷から眺める有名連は華やかさに満ちている。
アイドルの笑顔には吸い寄せられるようにレンズを向けてしまう。
修練を重ねた’ほんまもん’の技量に観衆は魅入るのである。
陶酔の二拍子。
しかし、阿波おどりの魅力は桟敷だけに有らず。
路上の至る所で繰り広げられるこだわりの踊りを楽しみたい。
見る阿呆も踊る阿呆に混じり熱気の渦が街を飲み込む。
どの連も うちの連が一番や!! と心底思っているに違いない。
桟敷を離れ街を彷徨えばこんな楽しい場面にも遭遇する。
阿波おどりを知り尽くした人間国宝級の長老も踊りの輪に溶け込んでいた。
桟敷に戻ればフィナーレの総踊り。
壮観の一語に尽きる阿波おどり絵巻だ。
秋の夜長に楽しかった徳島の盆を想う。
2017年8月 徳島県徳島市