普段はひっそりと雨戸を閉ざした芝居小屋が華やぐ時。
歌舞伎三大名作の一つ「菅原伝授手習鑑」
梅王丸か、桜丸か、話すことあり、聞くことあり、是非もなき世の有様じゃな~
お馴染みの台詞で始まる 三段目「車引きの場」
梅王丸は筋隈と呼ばれる血気盛んな性格を表す赤い隈取。
桜丸は若々しく正義感に燃えるむきみ隈。
まるで役者絵から抜け出たような・・
美しすぎる桜丸。
各務の菊五郎と呼びたくなる。
片寄れ~ 片寄れ~
桜丸!! サア~ 来い、来い、来い!!
時平公の御車と知って止めたかー!!
梅の花が香る吉田神社前で・・
梅王丸、松王丸、桜丸という三つ子の兄弟が出会います。
二本隈は松王丸の力強さと聡明さの証し。
ここからは歌舞伎の様式美を楽しみたい。
出た!! 悪の権化’ダース時平公’
時平の鋭い眼光に梅王丸と桜丸は震えて動けません。
やあ、おのれにも言い分あれど、親人の七十の賀、祝儀すむまで、のう梅王
そうだ、その上ではな、松の枝々へし折って、敵の根を断ち、葉を枯らさわ
梅は飛び 桜は枯るる世の中に 何とて 松のつれなかるらん
恒例のおひねり投げでお開きです。
2016年10月 岐阜県各務原市