<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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毎週必ず聴くラジオ番組の一つに土曜朝NHK-FMで放送の「サタデーミュージックサンシャイン」がある。

先月の初め頃。
この番組を聴いているとDJのピーター・バラカン氏が映画「リスペクト」の話を始めた。
「リスペクト?なんじゃそりゃ」
最近仕事の追われて映画なんぞノーチェックで来ていたのでさっぱり知らなかった。
で、知って驚いた。
何でもアレサ・フランクリンの評伝映画だという。
それも主演をジェニファー・ハドソンが演じているのだともいう。
映画としては非常に面白い作品だ、というようなことが語られていた。

アレサ・フランクリン?
ジェニファー・ハドソン?

私は瞬時に「そりゃいい映画に決まっている!」と叫んでいた。
自宅の中ではなくて自動車の中で叫んでいたのだ。
自宅で叫んでいたらカミさんに、
「なんやなんや!びっくりさせんといてえや、アホ!」
と叱られていただろう。

アレサ・フランクリン。
私はこの素晴らしいシンガーを知ったのは高校生の時に見た映画だった。
「ブルースブラザーズ」
若くして亡くなったジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが主演を務め数々のビッグネームがゲストとして出演している今もなお楽しめる伝説の映画。
テレビコメディ「Saturday Night Live」のスピンオフ的作品だったこの映画の中、ダイナーの女性オーナーを演じているのがアレサフランクリンだった。
この中で歌う「Think」はアップテンポのリズムといいバックで踊る街の人々といいこの映画でもミュージカルシーンとして最大の見せ場の一つだった。
そして最も印象に残ったのはアレサ・フランクリンの歌声なのであった。

ニューミュージックでやっと音楽に目覚めた高校生にはかなり刺激が強かった。
以来、この人の歌はラジオで流れてくるごとに「すごい」の一言が漏れるとともに聞き惚れてしまうのであった。

一方、今回主役を務めたジェニファー・ハドソンは10年少し前の映画「ドリームガールズ」にビヨンセ等と出演し、映画そのものをその歌唱力で飲み込んでしまった想像を絶する新人なのであった。
ジェニファー・ハドソンの歌を聞いた時に最初に感じたのが、
「ああ、アレサ・フランクリンに匹敵するぐらい、すごい」
ということだった。

そのジェニファーがアレサを演じた映画「リスペクト」。
実際に鑑賞しても度肝を抜かれる仕上がりで、前編素晴らしい歌と感動に包まれていたのだった。
上映時間2時間半はあっという間なのであった。

クリーンの「ボヘミアンラブソティ」以来、多くのシンガーの伝記が映画化されたが「ボヘミアン」が凄すぎたためにどうしてもそれを意識してしまい、つまらないものに感じることが少なくなった。
しかし「リスペクト」はそういう以前の別作品の余韻を一掃してしまう力強さがあった。

なお、上映は終了しているので観たい人はビデオになったら是非に!


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