「どくとるマンボウ」もので知られる北杜夫さんが死去、再度読み返してみよう
ユーモアあふれる“どくとるマンボウ”シリーズや、大河小説『楡家の人びと』で知られる作家の北杜夫が24日なくなった。84歳だった。
北杜夫は、近代短歌を代表する斎藤茂吉の次男だ。読売新聞が紹介している経歴としては、「旧制松本高を経て東北大医学部に進学。卒業後の1954年、初の長編『「幽霊」』を自費出版した」とある。
1960年には、水産庁の調査船に繊維として半年間乗った体験をユーモアを交えて描いた『どくとるマンボウ航海記』を初表。後に“どくとるマンボウ”と呼ばれる契機となった作品で、その後も続々と「青春記」などマンボウものを出版してたくさんの読者を獲得している。
また同じ「60年に、ナチスと精神病の問題を扱った『夜と霧の隅で』で芥川賞している。そして1964年には、代表作となる斎藤家三代の歴史を描いた『楡家の人びと』を刊行している」とも報じている。
そんな北杜夫の著作も、我が書斎にはほとんどが並んでいる。ただ、初期の作品は古書店での購入であり、新装版であったり初版ではあるが帯のないものがある。
長い期間躁鬱病と向き合って生きてきた北杜夫。たくさんの作品を読ませてもらったが、もう新作が読めないのかと思うと、とても寂しい気がしてならない。主要な作品を再度読み返してみようと思う。
ともあれ、ご冥福をお祈りする以外にはない。
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