「毎日、どんなパンツをはいて家を出ますか?」、この問いかけを大切にしたい
「生きることは死ぬこと。死ぬことは、生きること。楽しく生ききるために、『満足死』への準備を元気なうちから初めてはいかが」と、最近読んだ『「平穏死」10の条件』(ブックマン社刊)で、医師・長尾和宏は呼びかけている。そしてこの本には、「胃ろう、抗がん剤、延命治療いつやめますか?」の副題がついている。
私は相変わらず、こうした本を読み続けている。しかし、この著者によると「8割の人が、平穏死を望んでいるにもかかわらず、8割の人が平穏死できない」との、特別養護老人ホームで常勤の医師として活動されている石飛幸三先生の言葉を紹介している。
そうなのだ。どんなに逝き方などを考えたとしても、死がどんな形で訪れるのかは全く不明であり、時に考えるのを止めようと思うことすらある。それでもやはり、平穏死(=満足死)をと願い、こうした本を読み続けている。
この本の表題になっている「『平穏死』10の条件」が、詳しく書かれている。が、その第1の条件は、「『平穏死』できない現実を知ろう」とあった。そうだろうと思う。それだけに、「リビング・ウィル(=延命治療に関する自分の意思)」だけは、明確にしておこうと思っている。ただ、この「リビング・ウイル」は、アメリカでは国民の41%が表明しているが、日本ではわずか0.1%とのことだ(「日本尊厳死協会」)。
ともあれ、この本の著者である長尾和宏医師が講演で参加者に問いかけるという、「毎日、どんなパンツをはいて家を出ますか?」「今日、もしかしたら死ぬかもしれないことを考えて、パンツを選んできましたか?」との言葉を私も受け止めた。
以前は、素敵な恋の淡い期待も持ちながら下着に注意してきた(それは当然にむなしい努力だったが)が、これからは突然に鬼籍に入ることを想定して、努力が必要と考える。ただこれも、当分の間はむなしい努力となることを願うのだが。
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