全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

一過性のもの

2005-09-12 04:52:30 | 全英連参加者 2005

【地震、雷、火事、親父】
 最近聞かれなくなった言葉である。これを日本人のこわいものは一過性だと論破したのは、故イザヤ・ベンダサン氏であった。

 地震、雷(嵐・台風の類)、火事(火災)、親父。はじめの三つは、基本的に予測がつかず、避けきれない。でも、一過性である。
 親父も「圧倒的なボス。それに象徴される政治的・人間的諸関係」として登場するが、絶対権力者でも、何百年も続く存在ではない。これもベンダサン氏によれば一過性である。何千年もの間、国を持たずディアスポラの民になったユダヤ人と日本人は異なる。親子何十代にも渡り、差別を受け、命を危険にさらされる民族と違い、日本人ははそうではない。長期的な時間の使い方は不得手であるとの論旨だったような記憶がある。(ちがったかな)

 なぜ、こんなことを思い出したかというと、こんなニュースに接したからだ。

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【大雨で早明浦ダムの貯水率回復、4か月ぶり100%に】
 渇水で貯水率が0%に落ち込んでいた四国最大の水がめ、高知県の早明浦ダム(さめうらダム)は、台風14号の影響による大雨で周辺河川から大量の水が流入したため、6日午後8時ごろ、貯水率が100%まで回復した。
 国土交通省四国地方整備局によると、100%になったのは約4か月ぶり。

 香川、徳島両県に生活用水を供給している同ダムは、梅雨時期に雨が少なかったことなどから、慢性的な渇水状態が続き、8月19日には1994年の大渇水以来、11年ぶりに貯水率がゼロとなっていた。
 このため、香川県内では、プールの使用中止など節水を進めたほか、発電用水の緊急放流が行われていた。(読売新聞)

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 つい1ヶ月前にゼロだったものが100になる。
  
空っぽが、いっぱいである。
 これでは、本当に真剣に対策を立てる動機付けにはならないよね。

 治山治水は治世の要諦。でも、その予算は土木予算そのものである。公共工事削減(公共工事絶対悪視)の世の中では予算も取りにくい。今回の早明浦ダムのことを見ても、台風はおっかないけど、ひとつ来れば水不足は解消。。。
 無駄遣いはよくない。東京杉並区の大出水にしても、70年に一度のことに、どれほど予算が取れるかなあ。きちんとした対策に、お金がつかなくなったら大変だ。70年~100年に一度のことが、どれほど理解なされるかわからない。日本もだんだんアメリカ型の国になりつつある。TaxPayer意識の高まりがどのように進んでいくのか。
 70年間工事費を払い続けるのがいいか、70年に一度一括払いで何兆円のお金を払い、数千のオーダーの死者がでるのがいいのか。
 僕は前者がいいと思うけど。

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 瑞穂の国、日本国。
  水不足も実は一過性のものだというお話。

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