全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

Nobody calls me chicken.

2020-06-27 04:00:00 | 全英連参加者 2020

 3週にわたり放送された「バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作」(BTTF)で、主人公のマーティーが堪忍袋の緒が切れた時 or 虚勢をはるときにいう台詞である。

 Nobody calls me chicken.
 『誰にも僕を臆病とは言わせない。(=オレを腰抜け扱いするな。)

 だいたいこんな日本語訳になると思う。

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 この文の構造は?
  S:主語,nobody
  V:動詞,call(s)
  O:目的語,me
  C:補語,chicken(ニワトリ=臆病者)

 主語のnobodyは一般的に「否定語」である。否定語主語の文は、「~の人、~する人は一人もいない」という意味になる。
 動詞のcallは色々な使い方があるが、O+Cをともない「OをCと呼ぶ」という文型になる。

 両方合わせると、「僕を臆病者と呼ぶものは一人もいない。」が学校英語的日本語だろう。でも、映画の中ではそのような意味を表さない。

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 命令文?
 英語の命令文は主語がないと言われるが、正しくない。命令は命令する方からされる方へ、つまり命令者から(目の前の)相手に直接言うことで成立する。文書や電話で「命令」することもあるが、それはことばの成り立ちから見て、後々のことである。

 「(YOU)~をせよ、するな

 これが基本なので、Youはあえて言わない。こんな風に、
  This is the Police.  Open the door.
  (警察だ。ドアを開けろ。)

 もしもYouをつけると、
  You(,) open the door.
  (お前、ドアを開けろ。)

 かなり、威圧的になる。

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 Nobody calls me chicken.
 『(誰一人、僕を臆病者とは言わない。そういうことを言う人間はいない。だからお前も)、僕を臆病者と呼ぶな

 下線部は平叙文である。事実を伝える文である。下線部の内容を「事実」として強弁し、赤字部分のようなメッセージを伝えている。形式は動詞スタートではないが、命令文である。

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 BTTFはこれまで何度か「午前10時の映画祭」で上映された。でも、なかなか劇場で見る機会が得られない。今回3部作を日テレでみることができた。あらためておもしろいと感じた。

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