〈ジュラシック・ワールド〉のあった島、イスラ・ヌブラルが火山の大噴火で壊滅、救出された恐竜たちは、世界中へと放たれてしまった。
あれから4年、人類はいまだ恐竜との安全な共生の道を見出せずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、人里離れた山小屋で暮らしていた。そこで二人が守っているのは、14歳になったメイジー、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女だ。
ある日、オーウェンは子供を連れたブルーと再会する。ところが、何者かによって、ブルーの子供が誘拐される。オーウェンはブルーに「俺が取り戻してやる」と約束し、クレアと共に救出へ向かう。
一方、サトラー博士は、世界各地から恐竜を集めて研究をしているバイオテクノロジー企業の巨人バイオシンをある目的から追っていた。そこへグラント博士も駆けつけ、マルコム博士に協力を求める。
人類と恐竜の共存の前に立ちはだかる、バイオシンの恐るべき計画とはー?
オーウェンとクレア、そして3人の博士は大切な命とこの世界の未来を守ることが出来るのか?
僕は過去のJurassic Worldのシリーズは1作目、2作目を劇場で鑑賞している。3部作の最後 そしてジュラシック・フランチャイズの最後、完結編である。
2作目を見たときのエントリーで、僕はこんなことを書いている。
前半はディザスター・ムービーだ。
イスラ・ヌブラル島は、小規模な噴火を繰り返し、溶岩の雨が降り注ぐ不安定な島になっていた。放棄され、自然に任された島で恐竜たちは生活している。大自然の驚異の前に、さすがの恐竜たちもなすすべがない。
後半は、ミステリー・スリラーかな。
ものがたりの途中から目立ってくる小さなキャラクター、メイシー・ロックウッドの行動が、文字通り世界に大きな影響を与える。そのことがものがたりのラストを、何となくぼやけたものにしたように思う。
都市にいる恐竜
...人類と恐竜が共存する世の中である。相当作りにくいと思う。
やっぱり作りにくかったようだ。
ずいぶん前の話になるが、Star Trek IV: The Undiscovered Country(1991)のクライマックス、フィナーレを見たときのことを思い出した。
スクリーンの中のキャラクターたちは、ものがたり世界の中で精一杯活躍している。その姿が現実世界にいる観客に、何だか「サヨナラ」を伝えているように見えたのだ。本作は先行3作品(ジュラシック・パーク,JP)の主要キャラクター3人が登場する。
エリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)
イアン・マルコム博士(ジェフ。ゴールドブラム)
アラン・グラント博士(サム・ニール)
3人がJPのものがたりでどれほどの存在感だったか。知らないものはいない。本作にはその3人が揃っている。特にマルコム博士はジュラシックワールドにも登場した。3人の濃い(強い)キャラクターに加え、オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)が、誘拐されたメイジーと恐竜ブルーの子供を取り返すために暴れ回る。恐竜だってたくさん登場する。幕の内弁当的、お腹いっぱい。でも嫌ではない。よくもスクリプトがまとまったと思う。
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メイジー・ロックウッド大化け
実は〇〇であり、医学の進歩に大きな影響を及ぼす存在であることが判明した(してしまった)メイジー。彼女と遺伝子工学で再生・改良された現代の恐竜は、生物として地球・自然に依拠していない。非自然で孤独な存在である。メイジーは背負わされているものが、あまりにも重大・深刻なことだが、強く生きている。
メイジー役は16歳のイザベラ・サーモン。前作に引き続きメイジーを演じているが、ちゃんと大きくなって(?)いる。役でもイザベラとしても存在感が大きくなっている。雰囲気は数年前のエル・ファニングに見えた。
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これで大団円なのだ
メイジーとブルーの子をオーウェンとクレアは守り抜き、ふるさとに帰ってくる。ブルー親子も再会し、森に戻る。
大空を舞う翼竜と鳥。大草原を疾走する恐竜と馬。水中の魚と魚竜。
これでいいのだ。
本作の副題Dominionを最初に見たとき邦題はどうするのかなと考えたことを思い出した。
dominion:「支配権」「支配」「権力」「統治」
Dominion:英連邦「自治領」
恐竜が支配するか、人類が支配するか。。。
原題はJurassic World: Dominionであり、邦題は「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」である。原題にない形容詞がついている。ネタバレになるが、新たなる支配者は人類と恐竜である。
RUN! ありました。