全英連参加者のブログ

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大学入学共通テストでの英語民間試験の活用見送り。

2019-11-06 04:00:00 | 気になる 教育行政

 受験機会の公平性、各試験の違い。
 何年も前から問題になっていたことが、ここに来て文科相の「身の丈」で一気に注目され、制度不備が露呈。中止が決定した。

 令和2年行事計画
 来年度の日程表は現在教務部を中心に、各分掌・教科とのすりあわせ作業中である。先週英語科は、進路指導部の確認を経て、令和2年度(令和3年度入試)に大学入試英語成績提供システムで利用される予定だった2試験の日程(GTEC実施日、英検2020 1 day S-CBT(以下「S-CBT」)1,2学期分実施日程)を報告した。学校準会場の英検1次試験実施日も決定済である。
 ・・・準会場の予定以外全抹消である。

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 学校現場は憤慨
 そんな見出しの新聞記事を見たが、違う。安堵感とも違う。正直な感想として、唖然に近いと思う。あきれている。
 S-CBTは受験予約も済んでいる。これから返金されるだろうが、まさか手数料は取らないだろうな。
 ID登録も準備できていた。やることは山盛りである。

 2024年から実施
 当初から共通テスト(センター試験の後継)でも英語の出題は存続する。文科省は共通テストでの英語は廃止し、民間の認定試験に一本化を計画していた。新テスト開始4年間(2020年度~’23年度)は、共通テストも存続、各大学が共通テストと民間認定試験のどちらを利用するかを判断することにしていた。英語教師(僕だけではない)は、’24年度以降、英語共通テストは廃止、民間試験のみになるものと考えていた。2024年から実施とは、その2024年にあわせているだけだ。

 再来年はどうなる
 共通テストの英語は「読む」「聞く」の2技能に、特化とまでは言わないが、出題傾向が傾斜する。「話す」と「書く」は民間試験で判定することにしていたからだ。問題作りは(どう考えても)...これからで修正は間に合うのか。

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 「書く」「話す」
 改めて4技能のバランスを考えなければならない。
 そもそも『「書く」と「話す」』は『「読む」と「聞く」』とどのような位置関係なのか。前者はアウトプット、後者はインプットである。これは議論の余地がないことだろう。100入れば100出てくるのかということはない。これも議論の余地はないことだろう。同質のままはあり得ない。同量もあり得ない。4技能各100点でいいのかと言うことも、もう一度考えなくてはダメだろう。

 2024年新テスト
 現行通り現大学入試センター(以下「センター」)が「読む」と「聞く」の問題を作成し実施。「話す」「書く」については、12月から1月共通テスト前までに、「ひとつ」の「統一的」な『「話す」「書く」』の試験を実施する。
 試験はあらたに技能試験実施団体を作り、そこが実施する試験を受験生は受験する。実施が無理ならば、問題作成だけに特化、実施はセンターが担うことも考えるべきだろう。おそらくTOEICと同じく、この仕組みから撤退する試験実施団体が出るだろう。
 入学者選抜にはこの試験データを用いる。データは1月以降の入試(いわゆる一般入試)にのみ利用する。現在のAO、推薦入試には、従来型の検定試験の結果を各大学の必要に応じて活用する。

 『「話す」「書く」』の試験は、 一種類でなければ収まりがつかないだろう。

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 最後にこの件についての「(文部科学)大臣メッセージ」を、記録にとどめることにする。


 受験生をはじめとした高校生、保護者の皆様へ

 文部科学大臣の萩生田光一です。皆様に、令和2年度の大学入試における英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ることをお伝えします。
 大学入試における英語民間試験に向けて、今日まで熱心に勉強に取り組んでいる高校生も多いと思います。今回の決定でそうした皆様との約束を果たせなくなってしまったことを、大変申し訳なく思います。
 英語民間試験を予定通り実施するかどうかに関しては、高校生をはじめ多くの皆様から、賛成・反対、様々な意見をいただいてきました。
 私としては、目標の大学に向けて英語試験の勉強を重ねている高校生の姿を思い浮かべながら、当初の予定通りのスケジュールで試験を実施するために、連日取り組んできました。
 しかし、大変残念ですが、英語教育充実のために導入を予定してきた英語民間試験を、経済的な状況や居住している地域にかかわらず、等しく安心して受けられるようにするためには、更なる時間が必要だと判断するに至りました。
 大学入試における新たな英語試験については、新学習指導要領が適用される令和6年度に実施する試験から導入することとし、今後一年を目途に検討し、結論を出すこととします。
 皆様が安心して、受験に臨むことができる仕組みを構築していくことをお約束します。
 今回、文部科学省としてシステムの導入見送りを決めましたが、高校生にとって、読む・聞く・話す・書くといった英語4技能をバランスよく身に付け、伸ばすことが大切なことには変わりがありません。
 グローバル化が進展する中で、英語によるコミュニケーション能力を身に付けることは大変重要なことです。皆様には、これからも日々の授業を大切にするとともに、それぞれの目標に向かって努力を積み重ねて頂きたいと思います。

令和元年11月1日
文部科学大臣 萩生田光一


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