Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

聖ピオ十世会創立者 ルフェーブル大司教の伝記7.6.予想外の任命

2010年08月28日 | ルフェーブル大司教の伝記
Ⅵ.予想外の任命


  ルフェーブル神父は、このより大いなる愛徳 majorem caritatemを試す機会を手に入れることになる。

 1947年6月の半ばは、7月20日から8月17日までは隠遁し、数日間は亡き母の“聖人のような霊魂をもう少しばかり知らしめる為”、彼女の伝記の概略を書き留めつつ過ごそうと計画している夏の休暇について彼は考え中であった。 ところが、一回の通話がこの計画を狂わした。
6月25日、修学院長代理のマシェ神父は彼の事務室の扉をノックすると、非常にあっさりと伝えくれた。
「神父様、貴方はダカール代牧区の長に任命されましたよ!」
直ちにルフェーブル神父はパリのル・アンセック司教に電話を入れた。
 「もしもし?」
 「もしもし、神父様ですね、私はに電話をしたかったんですよ。落ち着いてください!貴方は . . . 貴方はダカール代牧区の長に任命されました!」
(ルフェーブル神父の沈黙)
「いいですね、神父様?」
 「ダカールですって!おお!何て言う事でしょう!」
ルフェーブル神父は密かに思った。「何か予想はしていたけれども、以前はガボンについて彼らは検討していたじゃないか。今度はダカールだ。. . . イスラム教徒の縄張りのど真ん中だ. . . 誰も知人がいない。」
 ル・アンセック司教は言った。「貴方は誓願宣立された修道者ですから、従わなければいけませんよ!選択の余地はありません。ハイと言うべきです。」
 彼は「ハイ」と答えなければならなかった。この知らせを隠す必要などなかった。その結果、その夜の夕食時、朗読者が聖福音の一節を読み終えると【通常はここから霊的書籍の朗読が続く‐訳者】、そこで司祭テーブルからベルが鳴り渡った。マシェ神父が立ち上がると不安な空気が漂った。

 感激に震える声で彼が伝えた。「親愛なる友人の皆さん、親愛なる友人の皆さん。素晴らしいお知らせを私に幾つかさせて下さい。それは大いなる喜びであると共に大いなる誇りです。私たちの修学院長神父様がダカール代牧区の長に任命されました!」

 するとそこで拍手が突然湧き起こった。ルフェーブル神父は何時もの気取らない父親らしい口調で語った。確かに彼はダカールへの任命によって驚きはしたが、決して自分の義務の遂行を拒む事はなかったであろう。しかし彼はこう言い加えた。
「聖福音書にある次の聖言葉を思い出します:‘Duxerunt eum ut crucifigerent:」 この任務を突きつけられて、彼はかつて自分がこの修学院に到着した日と同じ言葉を繰り返した。
「差し上げられるものは何でも差し上げます!」



--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様をお待ちしております
【最新情報はこちら、年間予定一覧はこちらをご覧ください。】