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聖ピオ十世会創立者 ルフェーブル大司教の伝記 7.2.1.「この飾り気のなさに彼が好きになった」

2010年08月18日 | ルフェーブル大司教の伝記
Ⅱ.再建と準備


「この飾り気のなさに彼が好きになった」


  哲学修学院の新校長がモルタンに到着したのは1945年11月1日の冷たい晩秋の朝だった。彼は1ヶ月の休暇をトゥルクワンにいる家族と過ごす事が出来た。そこでは弟のミシェルの家に泊まった。

ロラン神父が彼に言った。
「何れにしても、貴方の先任者だったリオ(Riaud)神父様は貴方に会う事はないでしょう。と言うのも、総長様が出来るだけ早くカナダでの新しい役職を引き受けるようにと彼に依頼したからなんです。マシェ(Macher)神父が、貴方の到着まで舵を取ってくれるでしょう。」

  マルセル神父はパリからモルタンまでを車でロラン神父と共に旅し 、この旅行中、自分の長上かつ友人が、新しい役職のデリケートな性質を説明する時は、幾分かそれに恐る恐る耳を傾けた。諸聖人の大祝日の朝、一行の車は悲痛な思いにさせる破壊し尽くされた町の瓦礫の中を通過し、未だに蝶つがいの外れた正面門を通ってあの大修道院に入ると、不気味な外見の建物の前で停止した。そこにいる司祭たちは、一行の到着を知るなり中庭に一同集まった。そしてマシェ神父は前に進み出て「ようこそ、神父様」と挨拶した。

  マルセル神父は集合した司祭たちの紹介を受けた。
「こちらはノルマンディー出身で私たちの会計係を務めるフランソワ(François)神父様です。こちらは、哲学を教えておられます元海軍士官(彼はそれを感じさせた)のフェリックス・シモン(Félix Simon)神父様。そしてバカロレアを準備している生徒たちに「大学の哲学」を教えておられるマルセル・ディボー(Marcel Diebold)神父様(非常に厳格そうに見えた)です。ローマでは貴方の同僚で、スコラ哲学を教えておられるヴィドロ(Videlo)神父様(クラスでの話しぶりは呟くようで聴き取りにくかった)。ブルターニュ地方出身で歴史を教えておられますジャン・ロゾ(Jean Rozo)神父様(雄弁で教養がある)。また引退しておられますジャンヴラン(Jenvrin)神父様。そして「大学の哲学」を教えておられるミュラー(Muller)神父様です。」

  次に神学生たちが来た。彼らの一人であったエマニュエル・バラ(Emmanuel Barras)神父は、後年回想している。
「今でも彼が、挨拶しながらその両腕を拡げられ、私たちに向って『ただ今来ました!』と飾らずに言っているのを思い浮かべる事が出来ます。私たちは、この飾り気のなさに彼が好きになったのです。」

  最後に、別々に独自の共同体を形成していた修道士たちがやって来た。忘却(の淵)から非常に多くの細部に亘る事柄を救ってくれたルフェーブル神父の覚え書きは、私たちに次のような修道士たちの名前を提供している。ロベール(Robert)、ニコラ(Nicolas)、ロンジャン(Longin)、ロジェ(Roger)、ギ(Guy)、ベルナール(Bernard)、マラン(Marin)、ピエール(Pierre)などの修道士たち、さらにアコノ(Akono)に教会を建て、2階の桟敷(さじき)に至る螺旋階段を取り付けるということを思いつき(それは詳細な設計図もなく組み立てられたが、最上段まで正確な位置で完成した)アルフォンソ(Alphonse)修道士である。また、そこには1948年に亡くなりこの大修道院の公園にある小さな共同墓地に埋葬されるだろうメレーヌ(Mélaine)修道士もいた。さらには、動物たちと非常に多くの時間を過ごした労働者、ユード(Eudes)修道士もいた。周りの人々が彼の事をよくこう冷やかしていた。「牛たちはユード修道士の臭いがするんです!」

 全ての仕事は前述した人々の中で従事された。庭師、大工、鍛冶屋、靴直し、仕立屋、それから床屋であった。それに加えて受付をしてくれる平信徒の御手伝いもいた。

  1932年には会員12人を数えた聖霊女子修道会の共同体は、修学院の為に洗濯、掃除、更に料理 をしてくれた。マルセル神父は彼女たちに必要なものはないかと非常に気を使ったので、修道女たちは「ついに私たちに父親が与えられましたね!」と言っていたものだ。 しかしながら、持ち時間の殆どは生徒たちの為に取って置かれた。ロラン神父はこう言って彼を安心させた。
「貴方は何一つ授業を担当されませんが、土曜日の校長による講話と、日々の霊的講話はして頂く事になります。」

  諸聖人の大祝日中、その到着を楽しみに待ち構えていた新しい修学院校長を祝った。翌日の夜、ルフェーブル神父は修学院の学生たちを講義室に呼び集めてとても簡単に自己紹介をした。トゥルクワンに住む自分の友人たちに向っては、自分の事を“フランスでの人生をやり直そうと試みるアフリカのジャングルに住む人”だと表現した。これと同じ謙遜なアイロニーで彼は神学生たちの心を開かせた。そして、与えられた勉強時間は上手く使うようにと彼らを招いた。
「あなた方がここで費やす一分一分について、あなた方の職務を待っている霊魂にその責任を負っています。」そして彼はこう締め括った。「私に関して言えば、持っているものは何でも皆さんに差し上げます。」


聖ピオ十世司祭兄弟会 (FSSPX) 創立者 ルフェーブル大司教 伝記 目次
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