アヴェ・マリア!
■聖伝のミサは廃止されているか?
【答え】パウロ六世によって新しいミサの典礼様式が導入されました(1969年)。しかしこの導入で、聖伝のミサ(Traditional Mass, La messe traditionnelle)を廃止することも禁止することもなされませんでした。何故なら、聖伝のミサを廃止や禁止することは教会の精神に全く反していることなのでほとんど不可能のことであったからです。何故なら教会は常に数世紀にわたって行われ続けてきた典礼様式を尊重してきたからです。更に聖ピオ五世は1570年7月14日の大勅書『クォー・プリームム』によって聖伝のミサに永久の特権を付けたからです。この永久の特権によって全ての司祭はこの聖伝のミサの典礼様式に忠実であることを誰からも決して妨害されたり禁止され得ないからです。
◆聖ピオ五世の1570年7月14日の大勅書『クォー・プリームム』の決定は、パウロ六世が新しいミサを発布した時に出した使徒憲章『ミサーレ・ロマーヌム』(1969年4月3日)によって廃止になったのではないか?
【答え】いいえ。1969年4月3日の使徒憲章『ミサーレ・ロマーヌム』は、聖ピオ五世によって与えられた特権を廃止するということを主張しなかったからです。従って、聖ピオ五世から付与された特権は現在でも有効であることは全く確かです。従って、全ての司祭は聖伝のミサの典礼様式に忠実である権利があります。
◆聖伝のミサが廃止されていないと言うことは確かか?
【答え】聖伝のミサが廃止されていないという事実は確かです。何故なら、たとえばベネディクト十六世のブラジル訪問の際に開かれた南米司教総会で、聖座を公式に代表して、カストゥリヨン・オヨス枢機卿は2007年5月16日に「1962年に福者ヨハネ二十三世によって発布された典礼書に従ってミサ聖祭と秘蹟を執行すること(celebrating Holy Mass and the Sacraments according to the liturgical books promulgated by Blessed John XXIII)」についてこう言っているからです。「今日、決して廃止されたことのないこの典礼を求める新しい刷新された関心が存在する」(There is today a new and renewed interest for this liturgy, which has never been abolished)と。
更に、カストゥリヨン・オヨス枢機卿は同時に、シュティックラー枢機卿が12年前(1995年)にインタビューの時にリークした事実を聖座を代表して再確認したからです。
つまり21年前(1986年)に、ヨハネ・パウロ二世によって作られた9名の枢機卿たちからなる秘密の「第一委員会」(そしてエクレジア・デイ委員会はそれを引き継ぐ「第二委員会」となる)のことです。ヨハネ・パウロ二世はこの1986年の「第一委員会」に、(1)パウロ六世が聖伝のミサを廃止したか否か、また(2)司教は自分の司祭が聖伝のミサを捧げるのを禁止することができるか否か、ということについて研究するように求めたのでした。その時、9名の枢機卿のうち8名が、聖伝のミサは廃止されていないと回答し、9名全てが一致していかなる司教といえどもカトリック司祭をして聖伝のミサを捧げることを禁止することができない、と答えました。
やはり聖座の公式見解としてカストゥリヨン・オヨス枢機卿が5月16日に南米司教総会で「教皇様は、1986年の第一枢機卿委員会がそうすることを望んだように、この典礼へ近づくことを容易にさせる時が来たと信じておられます。」(The Holy Father believes that the time has come to ease, as the first Cardinalatial commission of 1986 had wished to do, the access to this liturgy.)
【参考資料】
質問:教皇パウロ6世は古いミサを禁止されたのでしょうか。
スティックラー枢機卿:ヨハネ・パウロ教皇は1986年9人の枢機卿からなる委員会に次の2つの質問をしました。まず、教皇パウロ6世或いはその他の権限を持ったものが法的に現在トレント・ミサを世界中で捧げることを禁止したのか?禁止しませんでした。教皇はベネリ(枢機卿)にはっきりこう聞かれました。「パウロ6世は古いミサを禁止したのか?」と。ベネリ枢機卿は何も答えませんでした。ハイともイイエとも言いませんでした。
なぜでしょうか?「はい、パウロ6世は古いミサを禁止しました」とは言うことができませんでした。なぜなら、パウロ6世は最初から有効であったしかも数万の聖人や信者たちのミサであったそのミサを禁止することはできなかったからです。パウロ6世にとっての難しかったところは、彼はそれを禁止できなかったけれどもそれと同時に彼は新しいミサが立てられ受け入れられることを望んだのです。だから、彼は「私は新しいミサが立てられることを望む」と言うことができるだけでした。これが枢機卿たちが教皇様から出された質問に答えた回答でした。彼らは、教皇様は皆が新しいミサに従うことを望まれたと答えました。
さて、1986年に枢機卿のうち8人はこう答えました。「聖ピオ5世のミサはかつて廃止されたことはありません」と。私は次のことを打ち明けることができます。私はそう答えた枢機卿のうちの一人でした。反対だったのは一人だけでした。その他の枢機卿は自由の許可を支持していました。つまり、誰でも古いミサを選択することができる、ということです。教皇様はこの回答を受け入れた、と思います。しかし、司教会議のうちいくつかはこの許可の危険に気が付くようになり教皇様のところに行って「これは絶対に許すべきではありませんなぜなら信者の間での論争の機会、更には原因となるでしょうから」と言いました。この議論の耳にされて、と私は思うのですが、教皇はこの許可にサインをするのを控えたのです。しかし、私は自分自身の体験して知っていることですが、委員会としては大多数の答えが古いミサに対して肯定的でした。
また、次のように非常に興味深い質問もありました。「司教は誰でも正当な司祭にトレント・ミサを捧げるのを禁止することができるか」というものでした。9人の枢機卿は9人とも満場一致でいかなる司教といえどもカトリック司祭にトレント・ミサを捧げることを禁止することは許されない、ということで同意しました。私たちにはいかなる公的禁止もありませんし、私の思うには教皇様も今後公的禁止を出すことがないでしょう・・・。
(Cardinal Stickler, Latin Mass Magazine, May 5, 1995)
個人的には、2003年にメディナ枢機卿(当時、典礼秘跡聖省長官)は『自分はこのミサが禁止されたとはどこにも見たことがない』と記事(ラテン・ミサ誌2003年 春号の記事)を書いて、それを再確認しています。また、2005年9月には、上述のカストゥリヨン・オヨス枢機卿も、個人的にトレンタ・ジョルニ誌に「聖ピオ五世のミサは廃止されたことがない」と宣言しています。
============
ブログランキング <= クリックで応援して下さい。兄弟姉妹の皆様の応援を感謝します!
============
●聖ピオ十世会韓国のホームページ
●トレント公会議(第19回公会議)決議文
●第一バチカン公会議 (第20回公会議)決議文(抜粋)
●聖ピオ五世教皇 大勅令『クォー・プリームム』(Quo Primum)
●新しい「ミサ司式」の批判的研究 (オッタヴィアーニ枢機卿とバッチ枢機卿)Breve Exame Critico del Novus Ordo Missae
●グレゴリオ聖歌に親しむ会
■聖伝のミサは廃止されているか?
【答え】パウロ六世によって新しいミサの典礼様式が導入されました(1969年)。しかしこの導入で、聖伝のミサ(Traditional Mass, La messe traditionnelle)を廃止することも禁止することもなされませんでした。何故なら、聖伝のミサを廃止や禁止することは教会の精神に全く反していることなのでほとんど不可能のことであったからです。何故なら教会は常に数世紀にわたって行われ続けてきた典礼様式を尊重してきたからです。更に聖ピオ五世は1570年7月14日の大勅書『クォー・プリームム』によって聖伝のミサに永久の特権を付けたからです。この永久の特権によって全ての司祭はこの聖伝のミサの典礼様式に忠実であることを誰からも決して妨害されたり禁止され得ないからです。
◆聖ピオ五世の1570年7月14日の大勅書『クォー・プリームム』の決定は、パウロ六世が新しいミサを発布した時に出した使徒憲章『ミサーレ・ロマーヌム』(1969年4月3日)によって廃止になったのではないか?
【答え】いいえ。1969年4月3日の使徒憲章『ミサーレ・ロマーヌム』は、聖ピオ五世によって与えられた特権を廃止するということを主張しなかったからです。従って、聖ピオ五世から付与された特権は現在でも有効であることは全く確かです。従って、全ての司祭は聖伝のミサの典礼様式に忠実である権利があります。
◆聖伝のミサが廃止されていないと言うことは確かか?
【答え】聖伝のミサが廃止されていないという事実は確かです。何故なら、たとえばベネディクト十六世のブラジル訪問の際に開かれた南米司教総会で、聖座を公式に代表して、カストゥリヨン・オヨス枢機卿は2007年5月16日に「1962年に福者ヨハネ二十三世によって発布された典礼書に従ってミサ聖祭と秘蹟を執行すること(celebrating Holy Mass and the Sacraments according to the liturgical books promulgated by Blessed John XXIII)」についてこう言っているからです。「今日、決して廃止されたことのないこの典礼を求める新しい刷新された関心が存在する」(There is today a new and renewed interest for this liturgy, which has never been abolished)と。
更に、カストゥリヨン・オヨス枢機卿は同時に、シュティックラー枢機卿が12年前(1995年)にインタビューの時にリークした事実を聖座を代表して再確認したからです。
つまり21年前(1986年)に、ヨハネ・パウロ二世によって作られた9名の枢機卿たちからなる秘密の「第一委員会」(そしてエクレジア・デイ委員会はそれを引き継ぐ「第二委員会」となる)のことです。ヨハネ・パウロ二世はこの1986年の「第一委員会」に、(1)パウロ六世が聖伝のミサを廃止したか否か、また(2)司教は自分の司祭が聖伝のミサを捧げるのを禁止することができるか否か、ということについて研究するように求めたのでした。その時、9名の枢機卿のうち8名が、聖伝のミサは廃止されていないと回答し、9名全てが一致していかなる司教といえどもカトリック司祭をして聖伝のミサを捧げることを禁止することができない、と答えました。
やはり聖座の公式見解としてカストゥリヨン・オヨス枢機卿が5月16日に南米司教総会で「教皇様は、1986年の第一枢機卿委員会がそうすることを望んだように、この典礼へ近づくことを容易にさせる時が来たと信じておられます。」(The Holy Father believes that the time has come to ease, as the first Cardinalatial commission of 1986 had wished to do, the access to this liturgy.)
【参考資料】
質問:教皇パウロ6世は古いミサを禁止されたのでしょうか。
スティックラー枢機卿:ヨハネ・パウロ教皇は1986年9人の枢機卿からなる委員会に次の2つの質問をしました。まず、教皇パウロ6世或いはその他の権限を持ったものが法的に現在トレント・ミサを世界中で捧げることを禁止したのか?禁止しませんでした。教皇はベネリ(枢機卿)にはっきりこう聞かれました。「パウロ6世は古いミサを禁止したのか?」と。ベネリ枢機卿は何も答えませんでした。ハイともイイエとも言いませんでした。
なぜでしょうか?「はい、パウロ6世は古いミサを禁止しました」とは言うことができませんでした。なぜなら、パウロ6世は最初から有効であったしかも数万の聖人や信者たちのミサであったそのミサを禁止することはできなかったからです。パウロ6世にとっての難しかったところは、彼はそれを禁止できなかったけれどもそれと同時に彼は新しいミサが立てられ受け入れられることを望んだのです。だから、彼は「私は新しいミサが立てられることを望む」と言うことができるだけでした。これが枢機卿たちが教皇様から出された質問に答えた回答でした。彼らは、教皇様は皆が新しいミサに従うことを望まれたと答えました。
さて、1986年に枢機卿のうち8人はこう答えました。「聖ピオ5世のミサはかつて廃止されたことはありません」と。私は次のことを打ち明けることができます。私はそう答えた枢機卿のうちの一人でした。反対だったのは一人だけでした。その他の枢機卿は自由の許可を支持していました。つまり、誰でも古いミサを選択することができる、ということです。教皇様はこの回答を受け入れた、と思います。しかし、司教会議のうちいくつかはこの許可の危険に気が付くようになり教皇様のところに行って「これは絶対に許すべきではありませんなぜなら信者の間での論争の機会、更には原因となるでしょうから」と言いました。この議論の耳にされて、と私は思うのですが、教皇はこの許可にサインをするのを控えたのです。しかし、私は自分自身の体験して知っていることですが、委員会としては大多数の答えが古いミサに対して肯定的でした。
また、次のように非常に興味深い質問もありました。「司教は誰でも正当な司祭にトレント・ミサを捧げるのを禁止することができるか」というものでした。9人の枢機卿は9人とも満場一致でいかなる司教といえどもカトリック司祭にトレント・ミサを捧げることを禁止することは許されない、ということで同意しました。私たちにはいかなる公的禁止もありませんし、私の思うには教皇様も今後公的禁止を出すことがないでしょう・・・。
(Cardinal Stickler, Latin Mass Magazine, May 5, 1995)
個人的には、2003年にメディナ枢機卿(当時、典礼秘跡聖省長官)は『自分はこのミサが禁止されたとはどこにも見たことがない』と記事(ラテン・ミサ誌2003年 春号の記事)を書いて、それを再確認しています。また、2005年9月には、上述のカストゥリヨン・オヨス枢機卿も、個人的にトレンタ・ジョルニ誌に「聖ピオ五世のミサは廃止されたことがない」と宣言しています。
============
ブログランキング <= クリックで応援して下さい。兄弟姉妹の皆様の応援を感謝します!
============
●聖ピオ十世会韓国のホームページ
●トレント公会議(第19回公会議)決議文
●第一バチカン公会議 (第20回公会議)決議文(抜粋)
●聖ピオ五世教皇 大勅令『クォー・プリームム』(Quo Primum)
●新しい「ミサ司式」の批判的研究 (オッタヴィアーニ枢機卿とバッチ枢機卿)Breve Exame Critico del Novus Ordo Missae
●グレゴリオ聖歌に親しむ会