tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

Caramel

2011-04-22 23:15:50 | cinema
こんな写真を撮りたいなあ。
 

最近忙しくて、宅配レンタルのDVDすら観る時間を作れなくなってしまっている。、そのためか、時間の対価を払って観たDVDに意外と面白い拾い物があると思わず嬉しくなってしまう。こんなめっけもんの映画を観た時は、だれかとその感動を共有したくなるのかもしれない。

さて、ベイルートのエステサロンに働く女性たちを描いたこの映画、恥ずかしいことに、映画を観終わるまで、パリの裏路地のドラマだと思っていた。
というのも、同時に宅配で送られてきた某フジテレビが製作した某「のだめ前編映画バージョン」が、あまりにもチープな映像だったからだ。
同じパリなのに、光線の具合が違ってた。某「のだめ」は一般旅行者のパリ旅行した時の写真のような撮り方だよなあ・・・と思ってたら、この映画はベイルートでの撮影だっだ。

中近東に位置するレバノンは、なにかと内戦が多く、政情が不安定な印象を受けるが、そんな中でレバノンの首都ベイルートの女性たちがたくましく、おしゃれに人生を楽しんで生きていく様子が伺えて嬉しくなってしまった。特にベイルートは、中東における交通の要所であり、かつては商業と金融、観光の主要な中心地で中東のパリと呼ばれる華やかで美しい街だ。
第一次世界大戦にオスマン朝が崩壊すると、レバノンはフランスに与えられた。イスラムの厳格な教義を重んじる中近東にあって、レバノンは人口の6割がイスラム教徒、4割がキリスト教徒。両宗教の宗派計18が混在する「モザイク国家」で、異文化に寛容で開放的雰囲気があるといわれる。

セクシーな衣装や独特の音楽。ヒロインでエステサロンのオーナーのラヤールのまなざし。ベリーダンサーたちに共通するあの妖艶なまなざしに見つめられたら、それだけでイチコロだ。
いい映画だった。やさしかった。年老いた独身姉妹の話、エステサロンの客である女優志願の中年の女性のせつなさ。この映画は人の悲しさをちゃんとあたたかく見守っていた。

一度だけ、美容院で髪を切ってもらったことがある。床屋で「ビジ髪」 シチサンの髪型にされるのが嫌だったからだ。だが、美容院のドアを開けるのはかなりの勇気が必要だ。だから、場末で客が絶対いないと思われる夜の時間帯を選んだ。
「床屋に行きたいんだけど、もうしまってて」そんな言い訳を考えながら押した美容院のドア。
その店の若い美容師さんは、ヘアーカッターを手にしながら一生懸命、似合う髪形を模索してくれたっけ。。
・・・日本の美容院では資格の制限のためか、髭剃りはしてくれなかったなあ。。

ラヤールに片思いの警官。彼もまたエステサロンのドアを開き・・・イスラム的熱情のしるしと見なされている口ひげを剃られてしまった。
店を出て心細げに鼻の下に手をやる彼の姿がほほえましい。
一方、女性の髪は長くあるべきというジェンダーの通念に囚われられていた黒髪の美女は、短く切ってもらった後に嬉しそうに顔を輝かせていた。彼女は性的なタブーにも興味津々の様子。
ラヤールを演じた主演女優、ナディーン・ラバキーが、実は映画の監督・脚本も手がけていたと、あとで知ってびっくりした。
歴史の流れは往々にして男どもが作るのかもしれないが、時代の変化は女性たちが受け持っているのかもしれない。


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