中山門付近でレンタル自転車を見つけ、それに乗って地下鉄「新街口駅」方面に向かう。時刻は午後1時頃になっていた。高く大きなプラタナス並木沿いの道。途中に、「南京航空航天大学」のキャンパスが見えた。地下鉄に乗ったら、国慶節期間のためか満員状態。かなり足が疲れているが座ることはできない。「安徳門駅」で下車しホテルに向かうバスに乗る。バスを下車すると、近くの移動露店でまだ緑々として蜜柑が売られていた。
宿泊していた「中青旅山山水連鎖酒店」にて預けていた荷物を受け取る。このホテルは「連鎖」とあるようにビジネスホテル的な全国チェーン店。チェーン店のホテルは外国人の宿泊可能の確率は高いようだ。ホテルの小さなロビーに置かれていた高さ40cmくらいの蝋人形がなかなか素晴らしい。中国伝統楽器を持つ3体の人形。売っているものなら買って帰りたかった。
再びバスに乗り「安徳門駅」に戻る。駅近くの路上に机を置きトランプをするおじいさん・おばあさんたち。中国ならではの風景だ。通行の邪魔になることなどはおかまいなしだが、なにかホッとさせられる中国津々浦々の光景である。近くのゴミ箱ではおばあさんが資源ごみを集めていた。これも全国津々浦々の光景で、孫の世話も終わって一段落した60代になると、小遣い稼ぎに毎日この作業に精を出す人を日常的に目にする。健康にも暇つぶしにも生きがい的にもこの仕事はいいのだろうなと最近思うようになった。私もアパートでたまる「ペットボトルや缶類や紙類など」を、たまったらゴミ箱に出さずに同じアパートに住むおばあさんにあげるようにしている。
駅の近くの新しい公衆トイレ。2016年頃より始まった中国の「トイレ革命」により近年、中国の公衆トイレはものすごく変わった。それまでは いわゆる「ニーハオトイレ」(大便でも個室や仕切りのない、お互いにお尻が見える)もけっこう多く、しかも、大便を流さずそのままというところも多く、足の踏み場もないくらい、汚物が広がっているトイレも多かった。しゃがんで大便をすると汚物が衣服に付くので、中腰で大便をする場合もあった。しかし、このトイレ革命によって、中国の公衆トイレは劇的に変った。2〜3年前とは隔世の感があるが、この習近平政権が実施したこの革命は、中国人民にとってとてもよかったものの一つだ。
安徳門駅から南京南駅で空港方面への地下鉄に乗り換えて南京空港に向かう。空港は「喫煙室」がけっこう多く設置されていて、とても助かる。一番端っこではなく、しかも同じフロアー(階)に2箇所もあって利用しやすい。この配慮は喫煙者にとって とてもありがたい。
空港内に、「南京中国科挙博物館」と銘打った小さなコーナーがあり、科挙に関する説明がなされていた。また、さまざまな作家の絵画の展示があり、「ある女性画家の写真とともに、彼女の描いた絵」も数点あった。この絵画に描かれている女性は、画家の顔とほぼ似ている人物だった。なかなかいい絵だなと思いしばらく眺めた。
午後5時半ころに定刻どおり飛行機が飛び立った。日暮れの時間となり、飛行機から眺めることができる西に沈む夕焼けがとても幻想的で美しかった。江蘇省・安徽省・浙江省の上空を飛び、山地・山脈が多い福建省の上空にさしかかると完全に外は暗くなり、山間の町の灯りだけが見えるようになった。
南京—福州は1時間半ほどのフライト。前の席には、10月3日に福州から南京に向かう飛行機で、隣の席に座っていた小さな女の子連れの若夫婦たちの姿があった。午後7時頃に福州空港に着陸、南京への2泊3日の旅が終わった。
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