2月12日(火)、午前10時から娘の家に子守の手伝いをし、午後2時頃に近くのバス停からバスで出町柳で下車。ここから下賀茂神社に向かう。鴨川を渡るともうそこには下賀茂神社の赤い「一の鳥居」が見えてくる。この鳥居の前に重要文化財となっている「旧三井家下鴨別邸」がある。京阪電鉄の駅などに置かれていた「奇想の画家・伊藤若冲—樹花鳥獣図屏風を身近で見る 旧三井家下鴨別邸」と記されたポスターを見てここに来た。別邸の屋敷に入ると3階が楼となっている建物が見えてきた。初めてここに来たが、なかなかの建物と庭だ。
建物に入り、3階の楼にまず案内された。ここでの撮影は禁止されていたのが残念だが、五山の送り火の「妙法」の山、比叡山、そして大文字山や東山が一望に見える絶景の楼だった。2階には伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」が置かれていた。ここにあるのは忠実な複製品とのこと。本物は静岡県の美術館にあるようだ。実在の身近なものから空想上の生き物まで、水辺と樹木を背景にたくさんの動物が描かれていた。左隻は鳳凰が主役、右隻は白象が主役となっているようだ。モザイク画法と呼ばれる技法を用いて2センチ四方のモザイクを合わせて描かれていた。幻想的なものを感じる傑作だと思った。若冲のこの絵はとても見て見たかったものだった。複製なので写真撮影は許可されていた。
錦市場は京都の中心部に位置している。この錦市場の近くに「宝蔵院」という小さな寺院がある。ちょうど新京極通りと河原町通の真ん中にある細い路地に寺の門はあるが、ここは伊藤若冲の実家(枡源)の菩提寺であり、枡源はこの寺の檀家であった。「宝蔵院寺宝展」が2月7日から11日までの5日間だけ開催されていた。若冲の弟・伊藤百歳の生誕300年記念として、彼の絵を中心に展示をしていた。若冲の「竹に雄鶏図」も展示されていた。
2月14日、八坂神社の近くを通っていたら、「木村英輝」さんという人がデザインしたさまざまなものが売られている店があった。この木村さんという人は、ここから近い「青蓮院」の襖絵も描いた人のようだ。絵やデザインは、なにか伊藤若冲から なにがしかの影響を受けているような作風だと思った。絵の構図や色使いなどが‥。
2月22日の深夜に中国に戻り、アパートの部屋に置いてあった『若冲』を また再読し始めている。