彦四郎の中国生活

中国滞在記

3年以上営業が続くことの方が少ない中国の店舗・会社❷—世界で200年以上続く会社・店舗は

2019-03-17 22:34:39 | 滞在記

 今、私が住む団地の入り口付近には、11軒の食堂(店舗)が並ぶ。ここ2年間で、11軒中10軒の店が廃業した。そのうちの1軒は「カツ丼」や「寿司」などの日本食を出す店だったので、時々、そこに行って食べることもあった。そしてその10軒の店舗は改装されて新しい経営者による食堂(店舗)に入れ替わった。

 新しくできた店は、いずれも以前の店よりも 現代的で清潔な感じはする。中国社会の急速な変化の中で、「薄暗く汚いイメージ」のある食堂やレストランは客から敬遠される傾向があるようにも思う。

 このあたりの食堂は、付近に住む団地住民の人ばかりではなく、福建師範大学など学校も多いので、若い人の利用もけっこう多い。

 私が暮らすアパートの1km圏内の店舗をこの3年間近く眺めてきているが、半数をはるかに超えるさまざまな店舗が廃業し、新しい店舗に様変わりしている。それにしても、店の営業が3年以上続く店舗が少ない中国社会には驚かされる。店(店舗)が客を大切にするようなコミュニケーション、商品や品質、料理の味に対する客の信用をつかむというような、つまり店を大事にする・客を大事にするというような考えがこの社会にはあまり感じられない、これが6年間の私の中国生活での実感だ。(※もちろん割合的には少ないが、そのような店ばかりではないのだが‥)

 大学で担当している「日本文化論」の講義の中でも、「日本の信用文化・匠(たくみ)技術文化」として取り扱うのに2017年に発表された次のような資料がある。「世界で200年以上続く会社や店舗」に関する報告書である。それによれば、世界には約5500の「200年以上続く店舗や会社」があり、その53%の3000余りが日本にあるという。世界各国内訳は次の通りである。

 1位日本53%、2位ドイツ19%、3位4位 オーストリア4% スイス4%、5位6位フランス3% イタリア3%、7位8位 アメリカ1%  中国1%。アメリカの歴史は浅いので1%という数字は納得できるが、4000年以上もの歴史が長い中国が1%というのは意外だ。中国で200年以上続く会社や店舗は4つある。1660年創業の漢方薬店舗の「同仁堂」。清の時代の創業で、北京の故宮(紫禁城)内にも店舗があるが、現在では、中国全土に連鎖店(チェーン店)が展開されている。あと3つのうち2つも漢方薬店舗(製造と販売)で、1つは「青龍刀」を製造販売する店舗である。