長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

眼横鼻直

2009-08-19 06:59:54 | Weblog
昨日は「書の会」だった。
いつものように、少しはやめに貞本さんが颯爽とやってくる。
そして、富山の羽根屋の生酒をくいっとあけ、短冊に揮毫を
始めた。「一斗二升五合」(ご商売 ますます 繁盛 という縁起もの)
大塚の江戸一の女将さんに頼まれたらしい。あいかわらずいい字だ。

ちょうど煎茶の本を読んでいたら、売茶翁(ばいさおう)の言葉がでてきた。
「眼横鼻直自天真」というのがあったので、貞本さんに書いてもらった。
眼横鼻直(眼は横に並んでいて、鼻はまっすぐたてにある、それが天真(そもそも
自然の姿)。みたいなことだ。
昔から禅僧たちが、好んで揮毫したものだ。
売茶翁も、もともとは黄檗山で禅の修業をした。思うことあって、
58歳の時に、禅僧という身分を捨て、佐賀から上洛し、煎茶を
商うのを生業とした。そして、彼の「茶のこころ」が、池大雅や若冲
など絵師や、頼山陽や田能村竹田たちに影響をあたえ、煎茶の世界が
京都を中心に広がっていった。売茶翁をささえた亀田窮楽という書家も
いた。
30日のお茶会をやる京都の好日居の横山さんも、そんな売茶翁の
茶のこころを伝えるひとだ。

昨日はみんなが「茶掛けの禅語」みたいなものを、それぞれ
揮毫した。
「天真」が、生まれつき、もともと備わったもの、なら
「天才」とは、生まれつき備わった才能。特別なものではない。
イチローや松井などを天才呼ばわりすることがあるが、だれもみんな
天才なのではなかろうか?

今日は「かっぽれ」。
夏にクーラーもない部屋で、かっぽれをやると、
浴衣がしぼる前の雑巾みたいに、びしょびしょになる。
それを脱いで、たたんだ後に飲むビールのうまさは、
格別だ。