多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

現地ボランティア経験者に聞く 被災地は今

2011-05-09 10:06:19 | 多文化共生
(以下、京都大学EXPRESSから転載)
===========================================
現地ボランティア経験者に聞く
被災地は今

3月11日発生した東日本大震災で、甚大な被害を受けた東北地方。堀彩香さん(農学部・3年)はその復興のためにいち早く現地入りし、ボランティアを経験してきた一人だ。彼女は被災地で何を見て何を感じたのか、話を聞いた。【4月30日 京都大学EXPRESS=UNN】

盛岡出身の堀さんは、実家からの連絡で震災について初めて知らされた。「とにかくはじめは家族全員の安否を確認するので必死でした」という彼女だったが、連日変わり果てた故郷の姿が報道されるのを目にするうち、「自分も何かできることをしたい」という想いに駆られたという。友人の紹介で「被災者をNPOとつないで支えるプロジェクト」に参加。3月28日には現地入りした。

彼女が行ったのは、被災地におけるマイノリティ層からのニーズ調査。避難所を一つ一つ訪問し、老人や障害者、外国人など特別な支援を必要とする人々の話を聞いて回る、地道な作業だ。「コミュニティによってはまず馴染むのに苦労しました」と堀さんは語る。「外部からきた人間に対して、どうしても警戒心を抱いてしまう方もいるようです」

調査を重ねる中である老婦人と出会った。大正生まれという彼女は「東京大空襲よりもずっと悲惨な眺め。モノよりも何よりも、この悲惨さを伝えてほしい」と訴えた。被災者の気持ちに寄り添い、共感することの難しさを悟った。
「ボランティアに行く前には『どうすればいいんだろう』と悩んでいたし、行ってきた後も『どうすればよかったんだろう』という思いが消えません」と堀さん。「拾い切れなかった声がきっと数多くあります。達成感もありますが、無力感も同じぐらい感じました」

「一度ボランティアに行っただけなので、偉そうなことは言えません」と謙虚な姿勢を崩さない。それでもボランティアに赴くこと自体に意味があると信じている。「被災地に赴くことで、私たち若者が関心を持っていることを伝えられる。そこに大きな意味があると思います。自分の中で『こうすればよい』という答えははっきり出ないかもしれないけれど、まずは足を運んでみて欲しい」

【伊藤寛幸】

最新の画像もっと見る

コメントを投稿