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多文化共生とは永続的なココロの営み

身近に国際交流

2008-07-22 12:59:17 | 多文化共生
(以下、Webシティさっぽろから転載)
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身近に国際交流

 新緑のさわやかな初夏の季節が札幌におとずれ、大通公園にも外国人観光客の姿が増えた。また、7月のサミット開催を控え、「国際交流」や「異文化理解」というキーワードがこれまで以上に注目されたのではないだろうか。
 しかし、「国際交流や異文化理解が大事です」などと言われても、自分が実際どのように取り組めばよいのか、やや難しく感じたり、とりつきにくく感じる人もいるのでは。果たして、「国際交流」や「異文化理解」は難しいものなのだろうか。

 2008 年4月に開校した市立札幌大通高校には、現在複数の海外帰国生徒が在籍している。日本人生徒と変わらず日本語を話せる生徒もいるが、現在猛特訓中の生徒もいる。彼らに対して、本校では週6時間の「日本語」の授業を設けているが、「日本語」以外の授業や部活動、学校行事などは全て日本人生徒と一緒の活動である。彼らの様子を見ていると、日本語でだけでは不十分な時には筆談や電子辞書を用いて、或いはボディランゲージで意思疎通をしている。
 もちろん「ことばの壁」が全く存在していないとは言い難い。私が担任をしているクラスの中国人生徒はよくこういっている。「日本人は親切だ。でも、早くもっと日本語が上手になって、友達とちゃんと話せるようになりたい。もっと話をしたい」と。
 そこで、総合学習やLHR(ロングホームルーム)では、大学生や市民のボランティアの協力を得て、ロシア語や中国語の通訳をお願いし、彼らを支援していただいているところである。

 さて、6月13日には炊事遠足が行われた。幸運なことに会場では小雨も上がり、火おこしに苦労しながらも、おいしく野外で食事をとることができた。我がクラスの中国人生徒は、みんなに食べて欲しいと、遠足前日、中華料理店を経営する父親と協力して餃子とチャーシューを作り、クラスの生徒にご馳走してくれた。味はもちろん本場の味でおいしかったのだが、日本人の生徒が「すごくおいしい」「ありがとう」などと彼に声をかけ、おどけて抱き合ったり、「おいしいって言われてうれしい」という彼の笑顔を見ていると、とてもあたたかい気持ちになった。おそらく、彼は料理がほめられたのもうれしいのだが、自分の父親の味や中国の味が認められる喜びを感じたのではないだろうか。

 ニュースやネットで見聞きする外国ではなく、身近にある友人の国。そう考えることで、興味を持ち親近感を覚える。本校生徒が現在体験しているこうした日常は、「国際交流」「異文化理解」といえるのではないだろうか。

 「国際交流」「異文化理解」を身近に感じ、自然にそうした感覚を身につけることができる。これも、大通高校の一面ではないかと考えている。

(2008年7月16日・石川麻紀子)

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