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抑留外国人と地元民の交流、朗読と紙芝居で紹介/開成町

2011-02-27 22:24:32 | 多文化共生
(以下、カナロコから転載)
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抑留外国人と地元民の交流、朗読と紙芝居で紹介/開成町

2011年2月27日

物語の場面を描いた絵の前に立つ橋本さん(右)と矢後さん
 戦時中、南足柄市に抑留された外国人と地元住民の交流がテーマの物語「異人館はショコラ色」の朗読会が26日、開成町延沢の町民センターで開かれた。物語の作者で元教員の橋本哲さん(61)も富山県から駆けつけ、執筆のきっかけをつくった山北町の矢後一三さん(87)とともに見守った。

 橋本さんは一昨年、30年来の交流がある矢後さんの母カネさんにまつわるエピソードを知った。南足柄市内山の旧北足柄中学校の旧校舎は戦時中、「敵性外国人100+ 件」とされた英米人らの抑留施設として使われていた。

 深刻な食糧不足に見舞われた外国人の窮状を知ったカネさんら近隣住民は官憲の目を盗みながら、豆やイモなどを差し入れた。終戦後、解放された外国人はカネさんの家を訪れ、チョコレートとお礼の手紙を手渡したという。感動した橋本さんはエピソードを基に創作した「異人館はショコラ色」を自費出版し、昨年3月に閉校した北足柄中の生徒たちに贈った。

 戦後60年以上すぎ、地元でも抑留施設の存在は忘れ去られようとしていた。本を読み、関心を持った人も少なくなかった。開成町戦没者遺族会の遠藤成雄副会長も「こんなに近くに抑留施設があったなんて知らなかった。非国民と非難されることも恐れずに、外国人100+ 件を助けた日本人もいた」と感銘を受けた。遺族会は紙芝居を作ってもらい、南足柄市の劇団ぽぽに声を掛け、朗読会を企画した。

 朗読会では、物語の場面を描いた紙芝居がスクリーンに大きく映し出された。橋本さんは「みんな真剣に見てくれた。紙芝居も分かりやすく、とてもよかった」と喜んだ。矢後さんは「こんなに大勢の人が参加してくれて、うれしい」と目を細めた。

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