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米の日本語教育 財政難で廃止・縮小続々 中国語は増加 日本に危機感薄く…

2010-01-04 10:21:12 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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米の日本語教育 財政難で廃止・縮小続々 中国語は増加 日本に危機感薄く…

2009.12.30 12:33
グレート・フォールズ小学校で、日本語の特別授業を受ける生徒たち(撮影・渡辺浩生)

 米国の日本語教育が縮小傾向にある。昨年9月のリーマン・ショック以後の景気悪化にともなう財政難によるもので、首都ワシントン近郊で20年の歴史を持つ公立小学校の日本語特別訓練プログラムも廃止の危機にある。一方、中国は経済力にモノを言わせて中国語教育の普及を推進。日米関係が揺れる中、日本政府の消極姿勢が、海外での日本語教育の衰退をもたらすという懸念も浮上している。(バージニア州フェアファックス 渡辺浩生)

 「きょうのがくしゅう なにをしますか いちじです さんすうをします」。教師のあとを30人の一年生が復唱する。壁にはひらがな・カタカナ表、教師は日本語しか話さない。子供たちが手にする年季の入った教科書は、故橋本龍太郎元首相の久美子夫人が寄贈したものという。

 バージニア州フェアファックス郡グレート・フォールズ小。1年から6年まで120人が日本語プログラムを選択し、算数、理科、保健の授業を日本語で受講している。1994年には、天皇皇后両陛下がご訪問され、全校生徒が日本語の合唱で歓迎した。

 しかし、同郡の2011年度公立校予算は税収減で1億7600万ドル不足し、同小の日本語プログラムを含む外国語教育の廃止・縮小が検討されている。

 同郡は1989年、習得する外国語をその言語環境に浸り切って学ぶ特別訓練プログラム(イマージョン)を導入。スペイン語やフランス語もあり、日本語は同小を含め小中5校で続いている。

 日本語を選択した生徒数は計2800人。同小時代から日本語を学び続ける高校生のエリン・ホッジさん(16)は「将来は日本語を使って国際関係の仕事に就きたい」と話す。

 日系企業に就職したり、日本に留学したり、各分野でOB、OGが活躍し始めている。その矢先に訪れた廃止の危機。父母らは「日本語を守れ」と嘆願運動に立ち上がった。運動は他の外国語にも広がり、一方、同郡の中国系住民の代表は中国語教育の強化を働きかけているという。

 日本語教育の廃止・縮小は全米で表面化しており、国際交流基金ロサンゼルス事務所によると、カリフォルニア州では日本語の講座や教師を削減。インディアナ州インディアナポリス北東地区の公立学校は日本語プログラムを、ルイジアナ州のディラード大は2008年を最後に日本語・日本研究課程をそれぞれ廃止した。

 一方で、中国語学習は、中国政府の積極的な支援もあって増加傾向にある。中西部の公立校では、日本語講座の閉鎖で捻出した予算を使い、中国語を開講する例もあるという。「アジア系言語はひとつでよい」との行政側の認識があるためで、日系企業幹部は「かつて日本がした支援を中国や韓国が行っている」と日本の危機感の薄さを挙げる。

 同郡は来年5月にも存廃の結論を下す。子供4人全員が日本語を学ぶ日系3世のキャシー・アマノさんは「廃止は日本にとっても損失のはず」と話す。

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