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県内在住者、雇用打ち切り相次ぐ 不況、行き場失う外国人 寮退去、住む場所なく

2008-12-04 09:12:36 | 多文化共生
(以下、岐阜新聞から転載)
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県内在住者、雇用打ち切り相次ぐ
不況、行き場失う外国人
寮退去、住む場所なく

写真:県内在住者、雇用打ち切り相次ぐ
カラオケボックスを転用したコンテナの自室でダビ・ゴンサルベス牧師(左)に相談するサントスさん。この後、仕事の面接に出かけた=中濃地域

 世界経済の悪化が、県内のブラジル人ら外国籍の住民を揺さぶっている。雇用契約を打ち切られ、家をなくし、お金もない。「長年日本にいて、こんなことは今までなかった」。生活に困窮するブラジル人らが悲鳴を上げ始めている。
雇用打ち切り…再就職も困難

 ブラジル人男性のサントスさん(56)は、11月初旬から中濃地域にあるコンテナに住んでいる。休業したカラオケボックスを転用したもので、天井のスピーカーや壁のメニューはそのままだ。

 来日11年。送迎バスの運転手だったが「景気が悪くなった」と解雇され、アパートの家賃を払えなくなった。日本語は話せず、社会保障も医療保険もない。「日本は豊かな国と思っていたが、こんなことになるなんて」と肩を落とす。

 県内の外国籍住民は5万人以上。製造業などで働くブラジル人やフィリピン人のほとんどは派遣社員で、人材派遣会社の寮に住む人が多い。雇用契約の打ち切りは、住む場所をなくすことと同じ意味だ。

 ハローワーク美濃加茂(美濃加茂市深田町)では、職を求める外国籍住民が昨年と比べて4倍のペースで急増している。

 1カ月間で70社以上の会社に応募したが、仕事が見つからず相談に来た男性もいるという。担当者は「日本人も求職者が増えている。日本語ができないと面接まで進まない」と打ち明ける。
教会頼り「駆け込み」も

 失業し、家をなくしたブラジル人らのセーフティーネットになりつつあるのが、ブラジル人を対象にしたキリスト教会だ。可茂地域には10カ所近くある。

 美濃加茂市の市街地にあるキリスト教会牧師のダビ・ゴンサルベスさん(27)は「仕事がなくて困っているという相談の電話を、毎日受ける」と話す。

 家のローンと妻と3人の子どもを抱えて仕事を失った人。車上生活に陥り教会を頼ってきた家族。ダビさんは、助けを求めてきた人が住めるよう、より広いパチンコ店舗だった建物に教会を移すことも考えている。

 ダビさんは「こういう時だからこそ手をつながなければ。だが、教会がいつまで助けてあげられるか。限界はある」と声を落とす。

 ブラジル行きの飛行機は2月まで予約でいっぱいだという。帰りたくても帰れない。「若者が犯罪に走るのでは」と心配する在住ブラジル人も少なくないのが実情だ。


【県内のブラジル人】

 9月末現在で5万7343人の外国人が登録されており、そのうちブラジル人は外国人全体の約35%に当たる2万510人。美濃加茂市、可児市、各務原市、大垣市で多く、製造業に従事する人が多い。外国人の総数が1番多いのは岐阜市で、9089人が登録されている。

フォーカスぎふ
2008年12月 2日(火)

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