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年の瀬途方に暮れ 「非正規」失職県内も波及

2008-12-29 07:31:35 | 多文化共生
(以下、読売新聞【福井】から転載)
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年の瀬途方に暮れ
「非正規」失職県内も波及
履歴書の裏に書いた遺書を手に、これまでの境遇について話す千葉県出身の男性(坂井市の「心に響く文集・編集局」事務所で)

 急速に景気が後退し、派遣労働者の契約打ち切りや雇い止めが急増している。県内でも多くの人が職を突然失い、途方に暮れながら年の瀬を迎える。

(青木さやか)

 「飼い殺しのような目にばかりあってきた」。坂井市の東尋坊で自殺防止活動に取り組むNPO法人「心に響く文集・編集局」の事務所で、千葉県出身の男性(34)がぽつりと語った。24日に自殺を考えて東尋坊を訪れたが、同NPO会員に説得され、思いとどまったという。

 建設現場などでの過酷な労働。ネットカフェで寝泊まりする生活。突然の解雇……。疲れ果て、残った数千円で福井行きの片道切符を買った。保護時に持っていたのは300円と、履歴書の裏にしたためた両親あての遺書だけ。会員に「もう大丈夫や」と話しかけられ、救われる思いがしたという。「久しぶりに人間味のある言葉に触れた」。涙で声を詰まらせた。

 同NPOは年明けにも男性に県内での仕事を紹介する予定だが、「こうした人は今後も増えるのでは」とみている。

 一方、外国人の派遣労働者が多数在住する越前市では、これまで月に2、3件だった外国人からの相談件数が11月は33件、12月は65件(25日現在)と急増している。

 ブラジル国籍のダシルバ・ジョン・カルロスさん(42)は、6年間勤めた電子部品開発・製造会社から20日で契約を打ち切られた。「欠勤せず、機械のように朝から晩まで働いたのに」と動揺を隠せない。妻と小学生の娘2人との4人暮らし。現在は雇用保険でしのいでおり、「ブラジルでは年末になると、友人や家族と集まってチキンやケーキをたらふく食べて過ごす。祖国よりも豊かな日本にいるはずなのに、家族には何もしてやれない」と肩を落とした。

 県内でも、今年10月末から来年3月までに職を失う非正規労働者は1600人を超える見込み。国や自治体などが生活資金融資といった緊急対策を進めているが、どこまで困窮する人たちを救済できるか不明だ。

 派遣労働者の多くはぎりぎりの生活をしており、突然の解雇は生死に関わるという。「仕事と住む場所さえあれば、それでいい」。出会った派遣労働者がそろって口にした。
(2008年12月29日 読売新聞)

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