多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

障害は個性なのか? 「発達障害=脳の個性」と捉える新たな教育法とは

2015-02-18 17:00:36 | 多文化共生
(以下、ダヴィンチニュースから転載)
========================================
障害は個性なのか? 「発達障害=脳の個性」と捉える新たな教育法とは
2015.1.23

『脳の個性を才能にかえる 子どもの発達障害との向き合い方』(トーマス・アームストロング:著、中尾ゆかり:訳/NHK出版)

 多様性がある柔軟な社会がよしとされている。怒りっぽい人、忘れっぽい人、少し空気が読めない人などさまざまいるが、ひとクセある大人たちが肩を寄せ合って社会を形成している。たとえば、怒りっぽい人は熱心な人、忘れっぽい人はおおらかな人、少し空気が読めない人は自分をもっている人、といった具合にポジティブに解釈すると、人間関係が円滑にいって、せせこましい社会でも比較的、生きやすいのではないだろうか。

 さて、少子化や教育改革などで、個を尊重した教育が進められている。伸び伸びと育つ子どもたちがいる一方で、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ディスレクシア(学習障害の一種で読み書きが困難)、自閉症など障害をもつ子どもにとっては、依然生きづらい、窮屈な環境であるのも確かだろう。障害は個性なのか。このような議論は、あちらこちらで見る。

 確かに、障害をもつ子どもたちは、いわゆる「普通の子ども」とは違う面があるらしい。勉強に集中できなかったり、コミュニケーションをとるのが苦手だったり。ある程度は勉強に集中できるのが普通だ、コミュニケーションがとれるのが普通だという、今の子どもたちの平均値に照らし合わせてみれば、障害をもつ子どもたちには足りないものが目立つ。それは「負」の面である。そこで、大人は環境を整えたり、専門的な治療を行ったり、投薬したりするわけだが、『脳の個性を才能にかえる 子どもの発達障害との向き合い方』(トーマス・アームストロング:著、中尾ゆかり:訳/NHK出版)では、全編を通じて発達障害を「脳の個性」として解釈する。

 断っておくが、本書は多様性という考え方をかつぎ出して、精神疾患を美化しようというものではない。「脳の多様性」という言葉は、すでに10年前から欧米で使われており、本書ではこれを科学的根拠も踏まえつつ「脳の個性」として見直すことで、それぞれの障害(ADHD、自閉症、ディスレクシア、気分障害=うつなど、不安障害、知的発達の遅れ、統合失調症、の7種の脳)を冷静に分析、理解する。そして、子どもに合う新しい教育のあり方を考えていく。

 例えば、ADHDの場合は「落ち着きがない」「注意散漫」という特徴が見られることが多い。学校では、そわそわとしてときに授業中であっても立ち歩く、忘れ物が多い、衝動的に話に割り込んでくるなどの子どもは「多動」と見られる。現実問題として、授業が停滞することがあれば、手段を講じざるを得ない。場に馴染めていないのだ。しかし、場が教室ではなく、たとえば南太平洋諸島であったなら。本書によると、プルワット文化圏は500の島にわかれており、舟で島から島へ渡る能力が高く評価される。注意がさまざまにいくADHDの才能は、大洋に出たときに水平線に見え隠れする小さな島影を見つけるのに役立つだろうと推測している。障害が才能に変わり、生活に生かせるのだ。

 脳の発達の遅れに起因はするものの、同年代の子どもと比べ遊び心があり、自発性に富み、ユーモアがあるとされるADHD。著者は、障害というものは生まれた時代や場所、そのときの価値観や美徳などで位置づけが大きく左右されるとしている。

 とはいっても、現実は生まれた時代や場所、そのときの価値観や美徳などに一人ひとりが合わせなくてはならない。と同時に、本書が提唱するのは「障害という個性的な脳のニーズに合わせて、まわりの世界を修正すること」。ADHDの特性を正しく理解すれば、現代の都会であっても、訪問販売員、音楽療法士、新聞記者、消防士、設計士、トラックの運転手、農業従事者など、さまざま仕事に従事できるばかりか、一級の才能を発揮できるだろうと予言している。

 障害をもつ人を社会にとっての「金の卵を産む鶏」に変えるのは、社会を構成する人間すべてであるという主張に、無限の可能性と希望を感じ取ってほしい。

現役ママが提唱する多様性の輝くまちづくり「多文化共生子育てフォーラム」を開催

2015-02-18 16:57:15 | 多文化共生
(以下、biglobeニュースから転載)
=================================
現役ママが提唱する多様性の輝くまちづくり「多文化共生子育てフォーラム」を開催
2月12日(木)13時30分

 明治大学国際日本学研究科で多文化共生論を研究テーマとする山脇啓造研究室は、誰もが子育てしやすい多文化共生社会のあり方を探る「多文化共生子育てフォーラム」を、2月28日(土)に中野キャンパスで開催します。

 本フォーラムでは、就学前の子を持つ母親3人(本学国際日本学研究科の大学院生2人を含む)が立ち上げたNPOの実践を通して見えてきた、外国にルーツをもつ保護者の子育ての現状と課題を報告。さらに、外国人も日本人も子育てしやすいまちのあり方について、参加者全員参加の「ワールドカフェ」形式で議論を深めます。

【多文化共生子育てフォーラム】
■日時: 2月28日(土)13時30分〜16時30分
■会場: 明治大学 中野キャンパス 6Fラウンジ
     (中野区中野4‐21‐1)
■主催: 明治大学 山脇啓造研究室
NPO多文化共生子育て情報局(イクリス)
■プログラム:
【第1部】 実践報告 13時40分〜14時40分
「多文化共生子育て情報局イクリスの活動から見えてきたこと」(安藤陽子、菊地真弓、吉田千春)
【第2部】 ワールドカフェ(参加者全員参加のグループ討論) 14時55分〜16時25分
「外国にルーツをもつ保護者が子育てしやすい地域社会とは」
■申込: icris.mother@gmail.comまで、お名前、ご所属、電話番号をお知らせください。
    ※2月21日(土)締め切り

介護に外国人実習生 制度と懸け離れていないか

2015-02-18 16:54:53 | 多文化共生
(以下、福井新聞から転載)
===================================
介護に外国人実習生 制度と懸け離れていないか
(2015年2月16日午前7時30分)


 介護分野の人手不足が深刻だ。厚生労働省の検討会は、外国人技能実習制度の対象職種に「介護」を追加する報告書をまとめた。実習制度は発展途上国への技能移転を目的としている。労働力確保のための拡大運用は、制度が求めるものと懸け離れてはいないか。

 介護現場は慢性的な人手不足で、厚労省は2025年度に介護職員約30万人が不足すると推計する。現場からは「国内の人材確保だけでなく、外国の人材活用が不可欠」(全国老人福祉施設協議会)との声が上がっている。

 少子化で国内の若年労働者が減っており、今回海外の労働者に打開策を求めたといえよう。受け入れは16年度からとなる見通しだ。実習制度は製造業や農業など69職種が認められている。介護のような対人サービスは初めてとなる。

 介護分野での外国人活用は、経済連携協定(EPA)に基づきインドネシアなど3カ国から介護福祉士候補者を受け入れている。日本語による受験などが壁となり、人材確保は限定的となっている。

 安倍政権は人手不足対策として、実習制度による外国人労働力確保の姿勢を鮮明にしている。公共事業の抑制から深刻となった建設業については、昨年4月に通常3年までの滞在期間を延長できるよう緊急対策をまとめた。

 実習生として働く外国人は昨年6月時点で約16万人にのぼる。米国からは「強制労働」と批判され、低賃金で酷使するケースや長時間労働が後を絶たない。厚労省の13年の立ち入り調査によると、対象約2300事業所のうち8割で何らかの労働基準関係法令違反が確認されている。

 アジアの若い人たちに技術を伝えている企業がある一方で、安く手軽に使える「外国人労働者」としかみていない事業者が多い。

 EPAによる受け入れでは1500人以上が来日。介護施設で働きながら資格取得を目指し、約240人が合格した。「親身に接してくれる」と好意的に受け止める利用者もいる。

 しかし、介護には利用者や家族との意思疎通が不可欠であり、コミュニケーション能力など「質」への配慮が求められる。

 高齢化に伴い介護サービスへの需要が急増する。一方で、「低賃金で、きつい仕事」とのイメージが定着し、不足に拍車をかける。外国人を安価な労働力として受け入れれば、日本人の待遇悪化につながる恐れがある。介護職員の処遇改善に取り組み、人手確保につなげることが先決だ。

 実習制度の目的を逸脱するのはどうか。労働力確保対策として外国人受け入れの枠組みを検討すべき時期にきている。

外国人への生活保護、日本人より高い支給率…片山さつき氏が問題提起

2015-02-18 16:53:04 | 多文化共生
(以下、ZAKZAKから転載)
==========================================
外国人への生活保護、日本人より高い支給率…片山さつき氏が問題提起
2015.02.16


 今年は戦後70年だが、生活保護については「戦後」がいまだに続いている。局長通達で、一時的に認められたはずの「外国人の生活保護受給」が、何と60年以上も続き、日本人の支給率より高くなっているのだ。日本の財政も厳しいなか、生活保護制度を見直すべきではないのか。自民党の片山さつき参院議員が問題提起する。

 「高齢者はともかく、新しい世代の外国人にまで生活保護を適用すべきなのか。もう一度、考えるべきです」

 片山氏はこう語る。

 昨年10月時点で、生活保護を受給している世帯は161万5240世帯と、過去最多となった(厚労省1月発表)。2010年の調査による、国籍別の世帯数と生活保護受給世帯数、受給率は別表の通り。日本人の世帯に比べて、韓国・朝鮮籍、フィリピン籍世帯の受給率が高いことが分かる。

 1950年に制定された生活保護法は、対象を「生活に困窮する国民」としている。最高裁第二小法廷も昨年7月、「外国人は生活保護法に基づく生活保護の受給権を有しない」と判断した。

 ところが、4万を超える外国籍世帯が生活保護を受給している。

 片山氏は「厚生省社会局長名で54年5月に出された『生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について』という通達が理由です。51年のサンフランシスコ講和条約によって、日本国籍を失った韓国・朝鮮籍で生活に苦しい人々を、人道的かつ治安上の観点から“当分の間”保護したのです」という。

 65年に日韓基本条約が締結され、両国間の請求権問題は完全かつ最終的に解決された。韓国籍の生活保護は韓国政府が支払うのが当然との考え方もあった。片山氏はいう。

 「同時に締結された日韓法的地位協定で、『日本に永住する韓国人には教育、生活保護、国民健康保険について考慮しなければならない』とされ、協定議事録で生活保護は“当分の間、従前通り”とされました」

 「当分」の措置が50年間も続いていることは異常だ。加えて、韓国・朝鮮籍以外の外国人を保護する必然性はまったく感じられない。

 片山氏は「すでに戦後70年、日韓国交正常化50年を迎えました。韓国では『韓国国民と結婚し、かつ韓国国籍の未成年を養育している』場合だけ、外国人に基礎生活保障を認めています。国際化という観点では相互主義を考えてもいい。制度の抜本的見直しが必要です」と語っている。