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ニート、発達障害者を戦力に 府内で取り組み進む

2012-12-03 19:43:51 | ダイバーシティ
もし、あなたにミスをしやすい特性があり、それを客観視でき、フォローアップできるとしたら…。自分を客体化し、相対化していく作業は、自分自身のレベルアップのみならず、発達障害をはじめとする多様な人材を理解する一助になっていくはずです。

(以下、大阪日日新聞から転載)
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ニート、発達障害者を戦力に 府内で取り組み進む
2012年12月3日
 就労や就学をしていないニート状態の若者や、コミュニケーションなどが苦手な発達障害者たち。いざ就職をしようとすると企業側から敬遠されることも少なくない。しかし、一方では力の生かし方次第で戦力になりうると、その手法を企業関係者らに発信する取り組みも始まっている。大阪で進む直近の動きを追った。


企業関係者らが発達障害について理解を深めたセミナー=11月、大阪市内
■一緒に考えよう
 「ミスは発達障害だからするのではなく誰でもする。あなたにミスをしやすい特性があるのなら、周りの人がどうすればいいのかを一緒に考えよう」

 知的障害者の入居施設に勤める看護師の元村祐子さん(42)は、上司の言葉に胸が熱くなったという。

 臨機応変の対応ができない▽一度に多くのことを言われても覚えられない-。こうした特性から38歳の時に広汎性発達障害と診断された元村さん。

 職場ではサポートの手法が検討され、人からの指示を元村さんがメモする際、一つのメモが終わらないうちに次の指示は出さない▽指示内容の優先順位は明確にする-などの決まりを設けた。

 その結果「とても働きやすく」なり、職場のサポートに報いようと「自分のできることを全力でやりたい」と元村さんは話す。

 11月27日に大阪市内で開かれたセミナーの一幕。発達障害者自身が働きやすい職場について企業関係者らに語った。大阪府委託事業の一環でNPO法人発達障害をもつ大人の会(大阪市福島区)が実施。発達障害と企業の“懸け橋”となる活動をしようと、雇用側の理解促進、本人の特性理解に努めている。

 広野ゆい代表は「発達障害に対応できる職場環境は、誰もが働き続けられる環境」と訴える。

■ノウハウを共有
 ニートのうち働く意志を持って行動する若者を「レイブル(遅咲き)」と呼び、大阪府が支援団体や企業らと連携して行う就労支援事業「大阪一丸」では、働きづらさがある若者の多くに離職経験がある点を踏まえ、企業や個人が実践している「働きやすい職場環境づくり」を発信していく事業に乗り出す。

 事業受託するNPO法人スマイルスタイル(大阪市西区)の塩山諒代表は、ニート状態の若者の雇用について「ノウハウやメリットがいるものの、それが世の中に出ていない」と指摘。「次世代ワークスタイル研究所」と称して実践者を招いた講演を開き、内容をホームページで公開する予定で、「全国の企業が共有できるようにしていきたい」という。

 第1回は11日に大阪市住之江区の大阪府咲洲庁舎で、お好み焼き専門店で知られる千房の中井政嗣社長を招いて開く。同社が取り組む元受刑者の採用に関する仕組みづくりなどについて話を聞く。

 問い合わせは電話06(6568)9199、同法人へ。

シンガポール、外国人雇用規制強化 人件費高騰で日系企業も悲鳴

2012-12-03 09:37:37 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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シンガポール、外国人雇用規制強化 人件費高騰で日系企業も悲鳴
2012.12.1 07:33

 シンガポール政府による外国人労働者の流入・雇用規制の強化に伴い、低賃金の外国人労働力に多くを依存するサービス、建設業などに大きな影響が出ている。日系企業も深刻で、駐在員の就労ビザの新規・更新申請が却下されるケースも増えている。規制の主眼はシンガポール人の雇用確保などにあるが、少子化が進み、中長期的に外国人労働力の需要増が見込まれ、アナリストの間からは「規制により自分で自分の首を絞めている」という声が漏れている。

 シンガポールの主な就労ビザ(就労許可証)には、管理・専門職向けの「エンプロイメント・パス」(EP)と、中技能向けの「スペシャリスト・パス」(SP)がある。政府はこれらの取得条件と、外国人の違法雇用などに対する罰則を厳格化している。具体的には、罰則を厳格化した改正外国人人材雇用法(EFMA)が11月9日から施行され、12月1日からはEPの取得条件が厳しくなる。

 EFMAでは、外国人を違法雇用し、EPとSPを不正申告した場合、最高2万シンガポールドル(約130万円)の罰金などを科す。一方、EPの取得条件となる最低年収額は、従来の4倍の14万4千シンガポールドルに引き上げられる。

 政府が外国人労働者の抑制策を強める端緒となったのは、昨年5月の総選挙における与党・人民行動党(PAP)の敗北だ。政府と与党は敗因として、外国人労働者の流入増によりシンガポール人の雇用が失われているという世論の不満があった、と分析した。そこで、「シンガポール人を確実に雇用の中核に据えるための措置」(人材開発省)を強めたのだ。

 規制は段階的に強化されてきており、その結果「日系企業駐在員のEPの新規・更新申請が却下されるケースが増え、学歴の条件も『大学卒』が厳格化されている」(日本貿易振興機構=ジェトロ)という。ある日系の人材紹介会社は「企業から内定をもらったものの、就労ビザが下りず駄目になる事例も少なくない。規制の影響は労働市場を直撃している」としている。

 また、外国人労働者の雇用比率の上限も引き下げられ、サービス業では全従業員の50%だったものが、45%になった。残りはシンガポール人を雇うことを義務づけられているが、給与はシンガポール人の方が高い。このため、サービス業などからは「泣く泣くシンガポール人に切り替えざるを得ない。だが、シンガポール人の従業員は権利ばかりを主張してあまり働かず、正直言って使いづらい」(日系レストラン)との悲鳴が聞かれる。

 外国人労働者の不満も強い。11月末には公共交通大手SMRTの中国籍のバス運転手が、シンガポール人との差別待遇の不満から同国で26年ぶりのストライキを決行した。

 同国政府は規制強化で、「労働集約型経済から、高い生産性、革新性に基づく成長への転換」(人材開発省)を図るとしている。しかし、市場では、「経済成長率の鈍化、労働市場の空洞化、人件費の高騰を招く」(米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのエコノミスト、チュア・ハクビン氏)など規制に批判的な見方が多い。(シンガポール 青木伸行)