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災害弱者名簿「作成」の市町村2割弱 金沢大が全国調査

2008-05-23 09:37:07 | 多文化共生
(以下、朝日新聞から転載)
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災害弱者名簿「作成」の市町村2割弱 金沢大が全国調査

2008年05月21日

 地震など災害時に避難の手助けが必要な人のリストを作成している自治体が全国の市町村の2割に満たないことが、金沢大学の岩本健良准教授らの調査でわかった。半数以上がまだ作成に取りかかっておらず、このうち約6割の自治体が未作成の理由として「個人情報の問題」を挙げた。役所内での情報交換にも慎重で、支援を担う民生委員や自主防災組織に情報提供することへの根強い抵抗感もうかがえる。

 岩本准教授ら同大学社会学研究室の調査班が、07年9~10月、全国の市町村と東京23区の計1826自治体に郵送で調査用紙を送付し、1400自治体から回答を得た。

 有効回答のうち、手助けが必要な要援護者リストを「作成している」と回答したのは17.8%で、「一部で作成」「作成中」を合わせても45%にとどまった。一方、「作成していないが、今後の作成予定はある」とした回答は49.8%だった。

 未作成の自治体に理由(複数回答可)を尋ねると、「地域コミュニティーが要援護者の情報を把握しているので必要性を感じない」としたのは15.8%だったのに対し、「個人情報の目的外利用や第三者への情報提供の問題がクリアできない」とした回答が60.7%あった。

 「作成」「一部作成」「作成中」と回答した自治体に、リスト作成時や運用の課題(同)を尋ねても「個人情報の取り扱いが困難」と答えた自治体が最も多く、「あてはまる」と「どちらかといえばあてはまる」を合わせると76.9%にのぼった。

 各自治体は要援護者の範囲を独自に定めているが、その一部しかリストへ登録できていないところも多い。登録率9割以上という自治体は25.3%あったが、5割未満も17.8%にのぼった。36.1%が登録率を把握していなかった。

 一般の住民に対する安否確認の具体的な方策の有無については、「していない」(53.0%)が「している」(47.0%)を上回った。住民登録していない一人暮らしの人の安否確認では、把握する方策がないと回答した自治体が90.4%に達した。

 岩本准教授は「登録率が低いままでは地域のコミュニティーに期待しても、見過ごされる人が出るおそれがある」と指摘。登録率アップを急ぐとともに、自主防災組織などにも守秘義務を課したうえで、行政と災害弱者の情報を共有する必要性を訴えている。

 調査結果は松山市で24日開かれる予定の関西社会学会で発表される。内閣府によると、全国の市町村を対象に、要援護者リストの作成状況に加え、課題や登録率まで網羅した調査は珍しいという。(木村聡史)

     ◇

 〈災害時要援護者〉 政府の検討会が05年3月、高齢者、障害者ら災害時に避難するのが困難な人たちの避難支援プランのガイドラインを策定。自治体に対象者のリストや避難先など具体的な計画を作るよう求めた。内閣府はリスト化の際の個人情報の取り扱いについて、個人情報保護法で目的外使用が認められる「明らかに本人の利益になるとき」に該当するとの見解を示している。朝日新聞が46道府県の県庁所在地や政令指定市など73自治体を対象にアンケートし、2月にまとめた結果では、07年度中に作成予定も含めると、6割近い43自治体がリスト化を進めていた。

吉田仁(よしだ・ひとし)さん帰国子女向け雑誌を初めて発刊 「異文化学んだ子供たちは日本の宝」

2008-05-23 09:36:27 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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吉田仁(よしだ・ひとし)さん帰国子女向け雑誌を初めて発刊 「異文化学んだ子供たちは日本の宝」
2008.5.21 19:10


 「アメリカでは授業中、ガムをかんだり、足を組んだりするのはごく普通。それを覚えてそのまま日本に帰国すると…」

 駐在員の子弟は語学も堪能で、海外経験も豊富といったイメージが先行するが、吉田さんによると、生活習慣の壁にぶつかり、帰国後に登校拒否になる子供も少なくないという。

 今月発行した帰国子女を応援する初の教育雑誌「帰国便利帳」は渡米20年、現地の学校に通う2人の子供を持つ吉田さん自身の経験から生まれた。

 文部科学省によると、帰国子女の数(小中高)は1万300人(平成18年度)で、そうした子女を積極的に受け入れる学校も増えている。その一つ、かえつ有明中・高校(東京)では「現地校で学んだ生徒は意見を言えて考える力を持っており、それは素晴らしい能力。だが、日本の暗記中心の授業に戸惑うことが多い」(帰国生担当・久保敦教諭)と、帰国子女のプラスとマイナス面を指摘する。

 創刊号をみると、北京五輪・野球日本代表監督の星野仙一氏「私の教育論」、元フジテレビ・アナウンサーの木佐彩子さん「帰国体験記」、「帰国前に知っておきたい、教育のヒント」と盛りだくさん。

 発行部数は7万部。教育関係者にとって朗報なのは“フリーマガジン”として世界9カ国、500カ所の学校やスーパーで配布されることだ。日本では紀伊國屋書店などで無料で受け取れるようになるという。

 「異文化を肌で学んだ子供たちは日本の宝。帰国して伸び悩んでいては、個人にとっても社会にとっても損失になる」

 帰国子女たちの個性を生かしつつ、いかに日本へソフトランディングさせるか、未開拓の分野に切り込んだ新雑誌の役割に注目したい。(大家俊夫)

      ◇

 昭和40年、東京・飯田橋生まれの42歳。63年、日大卒業と同時に渡米し、当初、ホームレス同様の生活も経験。ガイド誌「ニューヨーク便利帳」の版権を創刊者から買い取り、「ワイズ・パブリッシング」(www.us-benricho.com)社をニューヨークに設立。社員40人。米ニュージャージー州在住。

多言語バスツアー 生きた外国語 気軽に

2008-05-23 09:35:50 | 多文化共生
(以下、朝日新聞から転載)
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多言語バスツアー 生きた外国語 気軽に

2008年05月21日

 外国人の夫婦や家族連れでにぎわう車内には、英語のほかスペイン語らしい会話も交じる。はとバスの東京観光ツアーだ。明治神宮や浅草を経由し、銀座に向かう。

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多言語自動ガイドシステムと英語の通訳ガイドにより、5言語で案内が聞けるバスツアー=東京都内

 通訳ガイドによる英語の案内だけでなく、韓国、中国、スペイン、日本の4言語の音声がヘッドホンから流れる。「多言語自動ガイドシステム」の搭載車でのツアーは昨年10月に始まった。

 この日の乗客は36人。少なくとも4カ国にまたがる。通訳ガイドの岩波信子さんが笑顔で説明を始めた。今の横綱は2人ともモンゴル人、キヤノンの社名の由来は「観音」……。興味深そうに聞く人、ヘッドホンをして観光案内の画面と車窓を見比べる人もいる。

 岩波さんの話に、インドネシア在住のジェームス・ブキャナンさん(47)は「ホンダ本社の場所など身近なことから神道の儀式まで幅広くておもしろい」。スペイン語の音声を聞いたメキシコ人のファン・コボスさん(71)は「原宿が若者に人気があるのは分かったが、もう少し詳しい情報がほしい」と注文をつけた。

 ブキャナンさん夫妻の案内役で同乗した日本人主婦(35)は数年前、英語の勉強のため外国人向けバスツアーに乗った。分かっているつもりでもいかに英語で説明できないか思い知らされたという。全日本通訳案内士連盟の林久美子さんはこうしたツアーを「通訳ガイドがどう説明しているか分かるし、降りて見学するとき外国人客と話す機会もある。気軽に生きた外国語が学べる場」と話す。

 車内の雰囲気は次第に和み、互いに写真を撮り合う場面も。こちらも身ぶりを交えて会話に努めるうち、いつの間にか国際交流を楽しんでいた。(片山健志)

 ●GPS使って配信

 多言語自動ガイドシステムは全地球測位システム(GPS)を利用、地点ごとの観光情報を自動配信する。スムーズに走っている時は必要最低限だが、渋滞時はより詳しい情報を流す。このシステムを使い多言語で案内をしているのは、はとバスだけ。ツアーは3種類あり、1日観光の「パノラミック東京」は大人9800円、半日の「シティラマ東京モーニング」は同4000円、「シティラマ東京アフタヌーン」は同4500円。いずれも通訳ガイドが英語で案内する。

急病の外国人の支えに 12カ国語で救急ガイド作成

2008-05-23 09:35:14 | 多文化共生
(以下、神戸新聞から転載)
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急病の外国人の支えに 12カ国語で救急ガイド作成

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神戸市内の全救急車に配備されるガイド

 神戸市内で暮らす外国人が救急車を利用しやすいようにと、外国人支援に取り組む「多文化共生センターひょうご」(東灘区)は、日本語と対訳式の「多言語版 救急時情報収集ガイド」を作成した。英語や中国語など十二カ国語で病名や処置の内容、症状などを表記。指をさすだけで、患者と救急隊員がコミュニケーションを取れるように工夫されている。近く、市消防局の救急車全三十一台に配備される。(紺野大樹)

 同センターによると、日本語が分からない外国人の中には、救急隊員にうまく説明できないため、急病でも救急車の要請を控える人がいるという。市内の救急車には約二十年前に作成された「外国人救急ノート」があるが、ニーズの高い言語が含まれていないため、同局の協力を得て新たにガイドを作ることにした。

 ガイドにはポルトガルやスペイン、ロシア、ベトナム語などを採用。外国語と日本語の対訳式で、平仮名とローマ字で構成する「やさしい日本語」も含めた。

 日本語が分からない患者から救急車の要請があった場合、救急隊員はまず、「私たちは、神戸市の救急隊です」と書かれたシートを見せ不安を取り除く。けがをした理由や、「ずっと痛い」「刺すような痛み」など痛みの程度、「しびれる」「吐いた」など症状を指さしてもらう。妊娠中やアレルギーの有無なども伝えられるほか、検査の種類など医療現場で使われる用語集も付けた。

 同センターの北村広美代表は「救急車への配備とともに、外国人にも持っておいてほしい」と話している。ガイドは同センターのホームページ(http://www.tabunka.jp/hyogo)から取り込める。