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追悼,ポール・モチアン

2011-11-24 21:27:41 | 音楽・アート
日本ではほとんど話題になってないがジャズドラマーのがポール・モチアン一昨日くらいに亡くなったそうです。80歳。

それにしても話題になってないなぁ。そんなにマイナーな存在でしょうか。

新聞的に書けば,ポール・モチアンはビル・エバンスがスコット・ラファロとトリオを組んでいた黄金時代のドラマー。またはキース・ジャレットの最初のトリオのドラマーという表現でしょうか。ものすごいピアニストと共演歴のある人です。わたしが始めて彼を聴いたのは25年くらい前かしら?,ポール・ブレイのアルバムの中です。そういえばブレイもすごいピアニストです。

ただわたしがモチアンを好きになったのは,それらのピアニストとの共演ではなく,彼自身のリーダーアルバムのすごく個性的なこと。特にビル・フリゼル,ジョー・ロバーノとのトリオ,つまりギターとサックスとドラムという変則トリオで,ものすごく空間的で,アバンギャルドででも美しい静かなアルバムを何枚も出していた活動の辺りからです。その他にもギター二本と複数の管を使ったエレクトリックビバップバンドとか,個性的な編成のバンドを率いていて独特の音楽を作ってました。彼のバンドメンバーの演奏はどれも個性的でしたが,個性的なメンバーを連れてきて,サウンドをつくっていたというより,彼のところで才能が開花したような人も多く,どの様にモチアンが彼らをコントロールしていたのか非常に不思議でした。

おもしろいのはモチアンの音楽って音楽と音楽じゃないところのギリギリのところ,言い換えれば彼自身が音楽の領域を広げていたようなところがあったことです。「えっ?これでいいの?」というような表現がある場合もありました。また彼のドラムのプレイ自体が技術的に難しいことをやっているというより,発想の自由さというか,うまいのか下手なのかさっぱりわからないのだけど,結果的に聴いたことがないような音楽を作りつつ,トータルでは非常に美しいところに仕上がってるところでしょう。

ライブを見たのは一回だけだったかも知れません。ピットインでアンコールに何度も答え,最後はおしゃべりをして帰っていったのを覚えてます。笑顔が素敵で非常に愛敬のある人でした。噂によると非常に人格者で,多くの人に慕われていたという話です。80歳という,まぁ年齢的には高齢でしたが,まだ新作をどんどん出していたわけで,しかも斬新な音楽を今でも作っていたので,残念です。

でもすばらしい音楽経験を沢山させて頂きました。ありがとうございます。
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