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賢人政治のリスク

2006-07-26 09:33:41 | 社会
先週の金曜日にやったNHKスペシャル「21世紀の潮流 ラテンアメリカの挑戦第1回」を観た.

要はベネゼエラに出来た左派政権チャベス大統領が行ってきた政治と歴史の話でした.「脱アメリカ」とも言われていて,実際にアメリカ等の国からは激しい批難を受けているとのことでした.かっての政権,または一時成立した右派政権よりも民衆は生活が出来ていると言う話とか,中国とかが石油を買ってくれるので,別にアメリカと仲よくしなくてもOK…とかそういう話でした.
まぁ観ていて思ったのは,別に脱アメリカだからうまくいってるというよりは「賢人政治」なんだなぁ…ということです.つまりチャベス大統領が優秀だからうまくいっていると.
賢人政治は政治システム的には今の政治形態では独裁政治になりやすく,要は国のトップが権力を一手に担って,うまく回しているうちは国は良く回ります.でもそれゆえにトップがおかしなことをやり出したら一気に国は傾きます.賢人政治を社会主義という形で行うのは,かっての王政とかじゃ今は無理で,国が経済までをコントロールする社会主義という形でしか出来ないからでしょう.社会主義というと聞えが違いますが,実際は多くの社会主義は強力な中央集権国家になってるように思います.
…で,話を戻すと,賢人政治は本当に賢人であれば,うまく行きます.議会制の様に議会が足を引っ張ったりしない分だけ,スピードは速いです.だけど,上にも書いたけど,賢人が賢人で無くなったときのリスクは物凄く大きいわけです.国が傾く位.現在先進国が議会制を多くで強いているのは,やはりリスク減少のためなんだろうな…と思います.
もっとも国の政治というのは,国内的には搾取と再分配なのだと思います.もちろん治安維持や治水等もありますが,経済に限っていうとそうでしょう.そしてその分配の率をいじれば民衆にとっていい政治も悪い政治も出来るし,権力者や財界にとっていい政治も悪い政治も出来るのだと思います.これに関しては民主主義とか資本主義とか社会主義とかの問題じゃないのでしょう.ただし,民主主義では,その分配の率をなかなか自由大胆に変更することはできないとか,どこかのバランスに陥りやすいというのがあるような気がして,それゆえに賢人政治の方がうまく行く場合もあると.
民主主義も長い歴史でここまで来てるので,いろいろと試行錯誤はされてきてるとは思いますが….
まぁそうは言ってもベネゼエラのケースはあくまでも石油埋蔵量が膨大な国が,それまで一部の権力者や外国資本が搾取していた利益をちょっと国民に回した…ってことで国内の格差が是正しているって話なので,一般性は無いし,その循環がうまく回らなくなったときにも大統領が賢人でいられるかはわかりません.そういう場合に独裁政治や恐怖政治に陥るリスクがあるところが,こういうのの難しいところだとは思います.
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