森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

お彼岸

2021-09-19 | 日記


 昨日までは、雨が降ったり止んだりのぐずついたお天気が続いていました
 が、今日は久々の秋晴れです。
 
 夏の間咲き誇っていた、ハンゴンソウやアワダチソウのなかまたちも、
 さすがに元気をなくして終わりつつあります。
 森はもうすっかり、秋の花に変わりました。



 早いもので、明日は彼岸入りです。
 子どものころはお彼岸といえば、お墓参りよりも何よりも反射的に「おはぎ」
 が想い浮かびました。
 母親の作るものは、とにかくでっかい「おはぎ」だったのをおぼえています。
 今のお店で売っているものの2倍はあったでしょうか。
 いやいや、小さいころだから、大きく感じたのかもしれません。
 とにかく、春秋年2回のお彼岸は「おはぎ」が食べられるがゆえに楽しみで
 した。
 
 ちなみに、いい歳になってから「ぼたもち」と「おはぎ」が同じものである
 ことを知りました。
 下町では春の彼岸は牡丹の咲くころだから「ぼたもち」で、秋の彼岸は萩の
 季節なので「おはぎ」と使い分けていました。



 彼岸やお盆の行事は大変古く、それこそ聖徳太子の時代から行われている
 仏事なのですが、実は日本独自のものでインドや中国仏教にはありません。
 日本古来の土俗的な太陽信仰や祖霊信仰を起源とする「古神道」と渡来した
 「仏教」が習合したものです。

 東大寺を訪れると、境内に手向山八幡の神社が鎮座しています。
 このことから、1300年程前に神仏混淆が始まったと考えられています。
 そしてそれは150年前まで続き「神仏」が日本人の生活のリズムを形成して
 きました。
 お彼岸やお盆は、その時代に根付いた宗教性を継承する行事なのでしょう。
  
 しかし、今年もコロナで遠方のお墓参りはできません。
 「おはぎ」だけはしっかりいただきますが。