森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

あれから10年

2021-03-08 | 日記


 三月になった直後に大雪の日が二日ばかりあって、その後は暖かい日が続いて
 います。
 山はまだ真っ白ですが、湖を覆っていた氷は徐々に融けてきました。
 これが始まると「ア~今年も春がきたんだ」と実感します。
 
 去年の秋の落葉が氷の中に閉じ込められてしまって、今それがそのまま融けだ
 してくるから、まるで秋にタイムスリップしたような景色が現れます。
 これも春の楽しみのひとつです。



 暖かくなると森の生きものたちは、急にいきいきと動きまわるようになります。
 小さな鳥たちは、雪が解けて土が顔をだしてる所を見つけて、小さな虫や、食
 べられそうな植物を探します。
 水辺の大きなサギなどは、湖水の融けた隙間から、クチバシを水中に入れて、
 上手に小魚を捕えます。
 みんな生活の知恵があって、工夫しながら生きています。



 早いもので、東日本大震災から10年になりました。
 あの時は関連死も含めて、2万2千人以上の方が亡くなりました。
 そして、未だに全国に散らばった避難者が数万人もいるとのことです。
 福島においては現在、帰還困難区域が7市町にも及び、帰還時期はもとより、
 除染計画もできていないそうです。

 そして今、コロナがきて、8千人の方が亡くなっています。すでに阪神淡路
 大震災(6434人)を上回っています。
 なんてことでしょう。

 ア~、それなのに「復興をアピールする五倫」とか言って被災地に聖火を走
 らせるとか。
 辛い気持ちの被災者も、たくさんいらっしゃることでしょう。
 さすがに気が引けたのか、最近は「人類がコロナに打ち勝った証としての
 五輪じゃ」などと変わっています。
 
 当初は既存の施設を使って7千億円でやるとのことでしたが、今では3兆円
 を超えて、さらにコロナ対策費がかかるそうです。
 日本はいくらでもお金は刷れるけれど、全部若い人たちに負担が及ぶのだか
 ら少しは考えないと気の毒です。

 10年前のあの大震災で、直接被害はなかったものの、価値観も人生観も変
 わって、生きる方向を変更した人を何人も知っています。
 今度のコロナも、人々にさまざまな心的な影響を与えることでしょう。
 それは自分も含めてのことです。

 なぜかこの時期になると、きまってカラスが大集合します。
 そして大合唱を始めます。
 変わらない自然です。