昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

1 「三徳山三仏寺」参道口から皆成院まで

2010年03月31日 | 山陰地方の旅
3/22、鳥取県三朝町の「三徳山三仏寺」へ参拝しました。

受付で、奥の院「投入堂」への参拝は、4月1日山開きまでは出来ないことを知り落胆しましたが、とりあえず本堂までの参拝をしました。



三仏寺で頂いたパンフレットの表紙で、国宝の奥の院「投入堂[なげいれどう]」です。

「投入堂」は、山頂に近い急峻な断崖に造られ、写真を見るだけでも常識をはるかに超えた驚愕の建物です。

「三徳山・投入堂を世界遺産に!」と書かれていますが、このすばらしい建物を長く後世に遺すためにも世界遺産登録がぜひ実現してほしいものです。


三仏寺で頂いたパンフレットにあった三徳山全景の図です。

今回は、下の道路から、いくつかの石段を上り、登山事務所のある本堂までの参拝でした。

本堂から奥の院「投入堂」までの標高差は、約200m、往復1.5時間かかるそうです。

下の道路を向かって右に進むと三朝温泉です。



三朝温泉から三徳川に沿った県道21号を進むと石で造られた三仏寺の鳥居が見えて来ます。

この鳥居を見ると、古代からから明治維新まで続いた長い神仏習合の時代を感じさせられます。

道路脇に「洗心のみち」の案内板があり、鳥居の額束には「三徳山」と書かれています。

長い道のりを徒歩で参拝していた昔は、この鳥居に三仏寺に到着した感激を抱いた人も多かったものと思われます。

正面の高い山は、奥の院「投入堂」がある三徳山でしょうか。



道路に面した三仏寺の石段の登り口で、バス停もあります。

石段脇の白い案内表示に「中国観音霊場 第三十一番札所 三徳山三佛寺」とあります。

石碑には「石壇築立 八拾四壇」とあり、両脇に寄進されたと思われる名が刻まれています。

いきなり88段の長い、急な石段がはじまり、「投入堂」までの険しい行者道を予感させられます。

■石段の向いにあった三仏寺の案内板を転記します。
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三徳山三仏寺
 参道を登りつめた処に三仏寺本堂がある。嘉祥二年(八四九)慈覚大師が釈迦・大日弥陀の三尊をここに祀ったのが始まりという。
 本堂裏から山にむかうと重要文化財指定の文殊堂などの建造物が続き、巌窟の中には役の行者が投げ入れたという国宝投入堂がある。
 三仏寺には、重要文化財指定の蔵王権現像数体のほか、多くの文化財が保護されている。
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長い石段を上り、左に折れると二つ目の石段があり、上に参拝受付案内所の屋根が見えてきます。

石段の向かって右には、かなりすり減った石段が残されており、信仰を集める三仏寺の長い歴史を感じさせられます。



方形屋根に赤瓦の参拝受付案内所です。

受付を済ませ、一段上の「皆成院」の前から振り返って撮った写真です。

受付の人から投入堂への入山は4月1日からと教えられ、しかたなく本堂までの参拝としました。

肌寒い日でしたが、満開の梅が心をなごませてくれます。



参拝受付案内所の前から一段上の「皆成院」を撮った写真です。

手前の建物には、売店があり、御祈祷受付所、納経所などの看板の他、山菜料理、名物とうふ、冷やしあめ等々、食堂のメニューも掛けられていました。

周辺にお店もない山中の寺では、便利なお店と思われますが、宿泊も含めた運営は大変なご苦労があるものと思われます。



三仏寺の三つある宿坊の一つ「皆成院」の門で、参道の右手にあります。

門の柱に長い木の看板があり、「中国四十九薬師霊場 第四十三番札所」と書かれています。

又、門の脇の白い看板には「幸福・厄ばらいの 観音菩薩様」「寿命・眼・腰・病気の 薬師如来様」「智慧・受験合格の 文殊菩薩様」と案内され、まるで御利益の百貨店といったところです。



「皆成院」の正面です。

両脇に「薬師瑠璃光如来[やくしるりこうにょらい]」と染抜かれた赤と紺の幟が並び、門を入った堂の前にも「中国四十九薬師霊場」の幟も立てられていました。


「薬師瑠璃光如来」は、「薬師如来」と同義語のようです。



「皆成院」に参拝していると左手から聞きなれない大きなカエルの声が聞こえてきました。

見るとお堂の横に錦鯉が泳ぐ小さな池がありました。

向こう岸の中央付近の突き出た岩の下にヒキガエルを見つけましたが、声は池の右手の方から聞こえていました。



池の底にいたヒキガエルです。

よく見ると二匹で、大きなヒキガエルの上にもう一匹が乗り、前足でつかまっています。

まだ少し雪の残る境内で、冬眠から目覚め、さっそく繁殖期の行動開始のようです。

冬眠で体力を消耗した直後と考えると、ヒキガエルパワーは大したものです。


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