昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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北海道旅行No.15 最東端「納沙布岬」の穏やかな風景

2011年08月11日 | 北海道の旅
北海道旅行3日目 6/5(日)根室市街から「ノッカマップ岬」や、「北方原生花園」へ立ち寄りながら根室半島の先端「納沙布岬」へ近づいてきました。



「納沙布岬」に近い「トーサムポロ沼」に差し掛かった風景です。

「トーサムポロ沼」は、地図で見るとオホーツク海に面した深い入り江で、海に近い橋の辺りが狭くなり、小川が流れ込んでいることから汽水湖となったようです。

延々と続くなだらかな地形から推察すると「トーサムポロ沼」の水深は浅く、周囲は湿地となっているようです。

国土地理院の地形図で見ると、橋を渡った左右に根室半島チャシ跡群の表示があり、前回掲載の「ノッカマフチャシ跡」同様、入江に面した地形にあります。

前回も紹介しましたが、「チャシ」とは16世紀頃からアイヌによって造られた砦のような施設で、宗教的な役割もあったようです。

下段の地図に納沙布岬付近までのチャシ跡を青い丸印で表示していますが、なだらかな地形のこの辺りでは全て入江に面し、周囲が見渡せる場所が選ばれていたことがわかります。



根室市街から東部分の根室半島の地図です。

青い丸印が地形図で確認されたチャシ跡で、沖縄に点在する小さなグスク跡の分布を彷彿とします。

北の海はオホーツク海、南の海は太平洋となっていますが、分岐点となる納沙布岬の冬は流氷で覆われるようです。

北海道の南端松前半島の切立った「白神岬」を通った時、東側では濃霧が漂い、西側ではカラット晴れていたのを思い出しますが、なだらかな地形の納沙布岬ではハッキリと気候が分かれるものではありませんでした。



納沙布岬に近づくと、白くそびえる「平和の塔」が見えてきます。

地図には「笹川記念 平和の塔」と表示され、日本のドンと言われた笹川良一氏によるものと思われます。

北方領土の返還の悲願をアピールするには最も目立つ建物のように見えますが、高い入場料でパスしました。



車は、オホーツク海が見える駐車場に突き当たり、納沙布岬灯台が見えてきました。

納沙布岬の風景は、穏やかな地形のためか、ほとんど感動はありませんでしたが、タンポポの咲く駐車場からの風景はどことなく懐かしさを感じるものでした。

■根室市観光案内のパンフレットに「納沙布岬」の説明文がありました。
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納沙布岬
本土最東端に位置し、日本で一番早く朝日を見ることができ、晴れていれば北方領土の島々が眺められる有名な「納沙布岬」。そこから望む一面の海には、四季折々の表情があり、夏にはラッコ、冬には流氷などといった、ダイナミックかつ幻想的な景観を楽しむことが出来ます。
先端に建つ灯台は「北海道灯台発祥の地」として、歴史のロマンを感じさせます。
北の海の安全航行を願い、1908年に設置された霧信号(霧笛)は2010年に惜しまれつつもその役割を終えました。
観光施設としては、「観光物産センター」や「望郷の家」「北方館」などがあり、どれも充実した展示内容で大人から子供まで、たっぷりと楽しむことができます。
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12:00頃、「納沙布岬灯台」の正面へ到着しました。

「納沙布岬」は、灯台の裏にありましたが、岬の有名さとは違い、驚くほど平凡なものでした。

朝7:00頃、釧路を出発、途中「春国岱[しゅんくにたい]」の散策などで5時間もかかってしまいました。

■柵に掲示されていた灯台の案内板です。
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納沙布岬灯台
  ~日出ずる国~
日本は、古来より「日出ずる国」とされてきましたが、納沙布岬は本土最東端の地で1番早く朝日が昇ります。
納沙布岬灯台は、1872年(明治5年)に北海道で最初に点灯した灯台で、現在の姿になったのは 1930年(昭和5年)です。
光のエネルギー源は、石油からアセチレンガスを経て電気に変わりましたが、光を放つ四等レンズだけは当時のままです。
この施設の異常を発見したときや、海上における遭難、その他何かお気づきの点がございましたら、根室海上保安部までお知らせください。

位置     北緯 43度23分07秒
       統計145度49分01秒
光り方    等明暗白光 明3秒暗3秒
光の強さ   14,000カンデラ
光の届く距離 14.5海里(約27キロメートル)
高さ     地上から灯台頂部 約14メートル
       水面から灯火   約23メートル
管理事務所  第一管区海上保安本部
       根室海上保安部交通課
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納沙布岬灯台の案内板にあった北海道東部の地図です。

根室半島の南岸、太平洋に沿った場所に「花咲灯台」「落石岬灯台」があるようです。



案内板に高さ約14メートルと書かれ、本土最東端の灯台のイメージとは違い、とても平凡な印象です。

海からあまり高くない場所にあることも穏やかで、日常的なイメージとなっているようです。

灯台の塔と、事務所などの施設が一体となり、別棟の建物がない簡素な施設です。



灯台の後方から見た納沙布岬の先端の岩場です。

好天だったこともあり、波も穏やかで小さな岩場も平凡な風景でした。

沖には北方領土が見えるはずですが、よく分かりませんでした。

冬にはこの岬が流氷で覆われるようですが、穏やかなこの風景からは想像しがたいものです。



灯台の横から太平洋岸を見た風景です。

西に伸びる海岸線の岩場に白波が立っているものの、余り迫力はなく、ものどかな風景が続いていました。



灯台の横からオホーツク海の海岸を見た風景です。

向こうに見える海岸の先端辺りは、タンポポの咲く風景を撮った場所で、その向こうは「望郷の岬公園」でした。

右に見える低い鉄塔のすぐ左に茶色のオブジェ「四島のかけけ橋」が見えます。



根室市観光案内のパンフレットに掲載されていた「四島のかけけ橋」の写真です。

■パンフレットにあった説明文です。
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望郷の岬公園には北方領土早期返還の願いがこめられた巨大なモニュメント「四島のかけけ橋」があり隣には昭和62年、(社)日本青年会議所が北方領土問題早期解決・返還を願って建立した「希望の鐘があります。
灯火台には沖縄から運ばれた「祈りの火」が燃え続けています。
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オホーツク海岸に巨大な岩があり、美しい海岸の風景が楽しめます。

岩の上にはカモメか、ウミネコのような鳥がたくさんとまっていました。

これでオホーツク海と別れ、午後は、太平洋岸を釧路方面に帰っていきます。


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