昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

遠野「郷土人形民芸村」の附馬牛人形

2008年03月30日 | 東北地方の旅
伝承園の駐車場を出て、国道340を南へ曲り、「郷土人形民芸村」へ向いました。



県道35号線を東に向かっていると左手に「郷土人形民芸村」の入口が見えてきます。
(この写真は、「郷土人形民芸村」の看板を駐車場側から撮ったものです。)

看板には「郷土人形民芸村」「附馬牛人形・佐々孝工房」と書かれてありました。



入口の表示がなく、ちょっと戸惑いましたが、正面に見える民家が、「郷土人形民芸村」でした。
看板に「佐々孝工房」とありますが、本名は佐々木孝和さんで、この家は佐々木さんの自宅のようでもありました。



これが「附馬牛(つきもうし)人形」で、佐々木さんの作品だそうです。
玄関を入り、声を掛けると佐々木さんの奥様のような女性からとても熱心に「附馬牛人形」の説明を聞せて頂きました。

説明によると、明治の始めに途絶えていた「附馬牛人形」復活の研究を確か5~6人で始められたそうです。(お話しぶりでは奥様もその中の一人だったようです)
長い間の苦労の末、「附馬牛人形」の技術を復活させることが出来たそうです。

この人形は、干支の「附馬牛人形」です。
毎年作った干支の作品を並べて展示しているようです。


落ち着いた赤色で気品のある感じを出しているようです。
「附馬牛人形」の作り方は、遠野の土と、和紙を煉合せて型取りした物を自然乾燥させ、胡粉を4~5 回重ね塗りしたものに彩色して仕上げるそうです。



黒っぽい服の方が(佐々木さんの奥さん?)、熱心な説明をされているところです。
ちょうど江戸時代から明治時代の「附馬牛人形」が陳列されており、その説明だったようです。



これが江戸時代に造られた「附馬牛人形」だそうです。
大黒様、えびす様などが見えます。



江戸時代中期の「花巻人形」が展示されていました。
「附馬牛人形」は、江戸時代末期から始り、その技術はこの「花巻人形」から伝わったものと考えられているようです。



干支の作品の下段にカッパの人形が展示されていました。
民話にまつわる人形はとても人気があるようです。

ところで、このカッパ人形の色は、赤ですが、遠野のカッパは、赤いものだと言われているようです。


愉快な招き猫が、色々と展示されていました。
作る人が、一番楽しいのではないかと思います。



岡山市金山寺にある「招き猫美術館」のポスターが貼られていました。
お話しによると「招き猫美術館」では、全国の招き猫を収集、遠野の招き猫も展示されているそうです。



招き猫をガラスケースの上に並べて熱心に説明をして頂きました。
長いまつ毛、つぶらな目、大きく手を上げている姿がとても愛嬌のある招き猫です。
帰り際に「又いらっしゃい!」と言ってくれているようにも見えます。

色々な人形の説明、人形作りのお話しをたくさん聞かせて頂き、ありがとうございました。

昨年10月7日、朝早く気仙沼の「大釜 半造」の美しい海岸見物から始まった一日もここで日が暮れてしまいました。
次は、昨年10月8日の遠野、北上市、平泉町の思い出を掲載します。