昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

遠野 「常堅寺」と、「カッパ淵」

2008年03月29日 | 東北地方の旅
伝承園から田んぼの間の道を歩いて「常堅寺」「カッパ淵」に向かいました。



右手に「常堅寺」の参道があり、仁王門が見えてきます。



左右の大きな仁王様です。
この仁王様、まん丸い白い目の中心に、丸い黒目があり、漫画で描かれる目のようです。
又、頭も大きめで、丸い目の感じとあわせてわんぱく坊主のようにも見えます。


■案内板に仁王像の説明文があったので、転記します。
「仁王尊像」
木造寄木造り ヒバ材
制作年代 江戸時代
高さ 325cm 頭長 67cm 顔幅 47cm 肩幅 80cm 掌 36cm
もと早池峰妙泉寺の仁王門に安置されていた仁王像で、明治五年神仏分離により、常堅寺に移されたものである。
遠野市教育委員会



仁王門をくぐると正面に本堂が見えてきます。
左右に狛犬が置かれていましたが、お寺に肥満体の狛犬はいささか違和感があります。
「福泉寺」にもかわいい狛犬があったことから、この地方ではお寺にもこだわりなく狛犬が置かれているようです。



「常堅寺」の案内板がありました。



常堅寺の本堂です。
本堂入り口の左右に木彫りのカッパが鎮座しています。
これも狛犬の代わりに置かれているのでしょうか。

でも最初、カエルと間違えてしまいました。


本堂に向かって左手に十王堂があり、名物「カッパの狛犬」がいました。
かつてこのお寺に火災が起きた時、カッパが頭の皿から水を出して消火をしてくれたという言い伝えがあり、狛犬カッパの石像を作ったようです。



向って右の「カッパ狛犬」だそうです。
顔は、可愛い子犬のようにも見えます。



向って左のカッパ狛犬です。
頭のてっぺんにくぼみがある以外は狛犬そのものです。

くぼみの小銭を見て、からっぽだと次に置く人が少なくなるので置かれているのでは?と変なことを考えて見ていました。



常堅寺の横を川に橋」がありました。
「常堅寺」の横を流れる川に木の橋がありました。
橋には「かっぱぶちばし」と書かれ昭和六十二年に造られたようです。



橋のたもとで橋の番をしているような木彫りのカッパが立っていました。

■案内板があり転記します。
「河童」
馬を川に引きこむいたずらに失敗したカッパは、おわびをして許され、母と子の守り神となりました。
常堅寺の火災のさいは頭の皿から水を吹き出して消しとめ、いまでも一対のカッパ狗犬として境内にその姿をとどめています。


この辺りが、「カッパ淵」のようです。
田園のなかにお寺と林があり、きれいな小川が流れています。
水が透明で、川の周りの雑草も少ないのでカッパが潜んでいる感じはありませんでした。
カッパが、川に馬を引き込む昔話も馬のひざ下程度の深さではちょっとムリがあるようです。

テレビでも見たことがあるキュウリを結びつけたカッパ釣りの竿が置いてあり、地元の人の涙ぐましい思い入れにひかれてこの場所を訪れるのかも知れませんね。

■そばにあった案内板を転記します。
「かっぱ渕」
遠野の河童は赤いといわれその伝説は数多く残っている。
小鳥瀬川の姥子渕の辺に、新屋の家という家あり、ある日渕へ馬を冷やしに行き、馬曳きの子は外へ遊びに行きし間に、河童出でてその馬を引き込まんとし、かへりて馬に引きずられて厩の前に来たり・・・・・」
遠野物語五八話

この阿部屋敷の水ごうの流れ渕には河童駒引きの伝説を伝える河童神様を祀っている。
洞の中には乳首の縫いぐるみが奉納されており、乳の信仰に転化している興味深い民俗がある。
遠野市・遠野市観光協会
遠野ライオンズクラブ


帰りにお世話になったトイレです。
「河童の厠」と書かれています。

「厠(かわや)」は、便所の意味で、昔から川や、溝の上に小屋を作り用を足していたようです。
日本古来の天然水洗便所が「厠」の語源のようです。

この川に厠があると、河童さんに下から襲われるかも知れませんね。