芥川龍之介が高浜虚子に宛てた自筆書簡が、未整理資料から発見されたと虚子記念文学館(兵庫県芦屋市)が発表した。同館によると虚子への自筆書簡の発見は初めてという。龍之介の句には虚子の筆で朱色の◎や〇の印がつけられている。因みに、龍之介の俳号は「我鬼」という。
高浜虚子選
小ぎたなき古洋妾や花蓙に
行水の捨湯蛙を殺したり
◎ もの言はぬ研ぎ屋の業や梅雨入空
宵闇や殺せども来る火取虫
〇 向日葵の花油ぎる暑さかな
よべの風藺田にしるしや朝曇
〇 殘雪や墓をめぐつて龍の髯
〇 篠懸の花さく下に珈琲店(カツフエ)かな
榾焚けば榾に木の葉や山暮るる
高浜虚子選
小ぎたなき古洋妾や花蓙に
行水の捨湯蛙を殺したり
◎ もの言はぬ研ぎ屋の業や梅雨入空
宵闇や殺せども来る火取虫
〇 向日葵の花油ぎる暑さかな
よべの風藺田にしるしや朝曇
〇 殘雪や墓をめぐつて龍の髯
〇 篠懸の花さく下に珈琲店(カツフエ)かな
榾焚けば榾に木の葉や山暮るる