三日目の朝礼で、
珍しく、私たちとデパートの間を取り持つ企画会社の神田君が、みんなの前でスピーチをした。
少し上がって、声が上ずっているが、話の内容は彼にしては珍しく良い事を言ったのだ。私達の気持ちを代弁する様な事を言ってくれた。(普段の彼は、しょうも無い事しか言わないが、最近メキメキ腕を上げてきた。)
話の内容は
「このお店は、私達業者に「来て頂いている」と云う、真心の気持ちで接してくれます。世間のデパートには、「出してやってる」と云う気持ちで、あからさまに見下したデパートもあります。」と、
その後、神田君なりに、夜も寝ずに考えて来たであろう話を披露したが、それはあまり大した事無かったが・・・・・・・
私は常々思っているのだが、
「デパートの社員の役割は、お客様と業者の間に立って、お客様に、如何に気持ち良く、満足して帰ってもらうか、その為の潤滑油にならなくてはいけない」と言っている。
業者を「出してやっている」ではなく、如何に気持ちよく働いて貰うか、気持ちよく接してもらえば、私達も、その担当者のためにも頑張ろうと自然に笑顔が出るものだ。
それが、売り上げになって帰ってくる。
その道理が判らない人間は、デパートの看板を下ろした瞬間に相手にされなくなるであろう。
気持ちの通う対応をしてくれれば、お互いに頑張れるのだ、それも気持ち良く。
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