高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

火曲げ  その2

2007年01月23日 09時07分00秒 | 工房

Enndougenn1 先日、工房の遠藤君が使っている道具を紹介した。彼はその時作っていた作品を「暮らしの中の竹工芸展」に出品して、見事、「光雲斎賞」を受賞した。

彼は今回の作品を作るため、約一ヶ月近く寝る間も惜しんで、作品作りに没頭していた。若いうちにしかできない集中力と根気、編んではほどき、編んではほどき、何回やり直したか判らない、でも、最後まで諦めずにやり遂げた彼に本当にエールを送りたい。彼にとって、今回の作品は今まで教わってきた技術、経験の集大成のような感じだ。「ここの部分は盛皿を作った時の縁の仕上げを使いました。」とか「この部分は花篭の底編みを応用しました。」とか、決して驕れることなくあくまでも謙虚に謙虚に話していた。

特筆すべきことはつぼ型の作品を作る時は木型を使うことが多いのだが、作品ごとに木型を作ってもらうとなると非常に高価なものになってしまう、そこで、彼は陶芸家のお父さんに素焼きのつぼを作ってもらいそれを型にして編み上げた時につぼを砕いて取り出すという(つぼの大きさより、籠の口が小さくなるので割らないと取り出せないから) 事をした。まさしくお父さんが影の力となって出来上がった作品だ。父と子が協力して一つの作品を作るなんて素敵だと思う。今回の経験がこれからの彼の作品つくりの元になっていく、本当にオメデトウ。

竹工房オンセ

コメント (2)
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