今回はスムーズに事が運びすぎて面白くないなーと思っていたら、やはり、ハプニングがありました。ホテルに戻ってから私たちイタリア語のしゃべれない3人がタクシーでレストランへ。村山さんから書いてもらったレストランの住所を運転手に見せて出発。ところが着いた所が全然違う所だ。(2月に行った事があるレストランなので違いが判った。) 村山さんに電話して運転手に説明してもらい、もう一度走り出した。やっと、お店に到着すると村山さん夫婦 がタクシーに駆け寄ってきた。大人しい、おっとりとしたご主人も臨戦態勢で飛び出してきている。タクシーが止まるや否や 運転席へ向かって来る。メーターを見て「お金は払わないで下さい」と私たちに声が走る。
村山さんは凄い剣幕でまくし立てる。「えッ、いったい何が始まったの?」映画を見ているようだ。運転手も負けじと大声と手振り、身振りで応戦する。またそれ以上の大声と怖いほどの目線でやり返す村山さん。これはビデオカメラを回さなきゃと思いつつ。緊迫した5分間が過ぎた。その後は全員で握手して笑顔で別れる。 ??今のは何だったの?
レストランに入りゆっくり聞いてみる。「たちの悪い運転手に騙されて違うところに連れて行かれたり、高額な料金を請求されていないか?」心配して二人が運転手と遣り合ったのだが、「イタリアでは大声で最後まで言い続けた方が勝ちなのだ」凄い勢いだが悪気はなく当たり前の事の用である。何しろ、大声で勢い良く主張しなくてはならない。日本人のように謙譲の美などと言っているとお尻の毛まで抜かれてしまうそうだ。お互い言い合った後はサッパリしたもので笑顔で別れる。それがイタリア人気質だそうだ。私たちの作品展もこのイタリア人気質を考慮して、主張すべき点ははっきりと打ち出して、日本人のように目に見えない部分も察してくれるような訳はないので、これでもかと表現しなくてはならないなと考える。