はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

海から剣が峰へ2日目-1

2011-08-22 10:35:23 | 低山歩き
   富士宮6合目―剣が峰―宝永火口―富士宮新5合間の歩行ルート 2011/8/11
   

                        剣が峰へ
     

 団体が泊っていたが寝床は余裕があり2人用の布団に一人で寝る事が出来た。
ただ鼾や歯軋り、寝言や寝返りなどの様々の音が気になり一晩中ウツラウツラの状態が続いた。
生ビール1杯でなくカップ酒も飲んで酔って寝てしまえば良かったかな。
どうも私は神経質すぎて困る。いや気が小さすぎるのだろう。
昨夜は家で寝たのに富士山のことが気になり殆ど寝る事が出来なかった。
2日続けての不眠で明日の体調が気に掛かってならない。

団体が起き出した。これで静かになるとホッとしたが結局起床の4時半まで熟睡する事はできなかった。
4時半前に1階の広間に降りていくと弁当の仕度がしてある。これは昼飯用にして、朝飯は昨日コンビニで買ったお握り3個。少しポソポソしていたが充分食べられる。
私が朝食を食べている事に気付いた小屋の人がお茶を入れてくれた。これはありがたかった。

朝食後初めての便所を使った。昔の富士山の便所は臭く汚くて恐くて、それこそ正真正銘の3K便所だった。
それが最近ではバイオ式とかで、ホテルなどとは比べようも無いが、山小屋ならこれで充分だろう。
サー入れる物は入れ、出す物は出した。もうすぐ5時。出発しよう。

「ご来光だ!ご来光だ!」の声が聞こえてきた。見るとカメラを構えた人もいる。
今日の日の出は平地で5時7分。なのに今は5時半頃。しかも辺りは充分明るい。
見上げると宝永山の突端から太陽が顔を出すところだった。
当然日の出の時に見える朝焼けも無い。太陽も出ると同時に眩しくて見ることが出来なくなる。

地平線から上がる太陽は富士宮口からは見られない。だがその後太陽が東側の尾根から出る事は間違いない。
となればこれはこれで日の出には間違いないのか------
先日もTVで富士宮の山小屋の人が「昨日のご来光は綺麗だった」と紹介していたが、このような日の出を指しているのだろうか?
尤も富士宮口でも登山道を外れて御殿場側に移動すればご来光は見えるが、普通に綺麗なご来光を見るなら富士宮口は避けた方がよい。と、言っても富士宮山頂に登っても満足なご来光は見れない。更に富士宮山頂から東の御殿場口の銀名水に下り、電話局跡の頂まで行かなければならないのだから。

          
           7合目はもうすぐだ

 富士登山で辛いのは上の小屋がすぐそこに見えていても中々着かない事だ。
気ばかり焦ってしまうので、なるべく上を見ずに足元を見ながら歩くようにする。
今日は意識的にゆっくり歩く。そして途中では立ち止らず山小屋に着いたらゆっくり休む事にした。
          
 8合目のトイレの横から始まる御殿場口への登山道は今年も封鎖されていた。ご来光を見たいなら、この道をトラバスすれば見ることが出来るのだが-----。
しかしこの道を開放すると、富士宮口のここから上の山小屋はお客が減ってしまう。だから封鎖する。困ったものだ。

 実は私は子供や孫が小学校3年の夏になると富士登山に連れて来ていた。
その時のコースは富士宮口を出発し、この8合目から御殿場口に抜け、御殿場口の7.9合赤岩館に泊まった。翌日は山小屋でご来光を見て、朝食をとってから頂上に向うユックリコースで登っていた。
だが3年前に上の孫とこのコースに来たとき、ここで不快な目にあって以来、この場所を強行突破する気がなくなってしまった。
今年は下の孫を連れて、もう一度富士登山をしなければならないが、ここで口喧嘩をするのも嫌だ。そこで仕方なく今年は日帰り登山にすることにしている。下の孫にとっては、いい迷惑だが仕方ない。

          
           八合目上の鳥居

 8合目の上に鳥居が立っている。ここからが浅間大社の土地だが奥宮のある山頂まではまだまだ苦労は続く。
この辺りは胸突八丁と呼ぶ一番苦しい場所で、昔の人は六根清浄の掛声をかけて登っていたという。しかし最近では六根清浄は全然聞くことは無く、胸突き八丁も言わなくなってきてしまった。言葉としては胸が道につくような急坂が八町(約872m)も続くなんて言い得て妙な気もするが。
六根清浄とは眼根(視覚) 耳根(聴覚) 鼻根(嗅覚) 舌根(味覚) 身根(触覚) 意根(意識)の六根をを清らかにすることだそうです。

          
           富士宮山頂(浅間大社奥宮)

やっと山頂に着いた。時間は9時30分六合目を出て4時間30分。この内、歩いていたのが3時間35分で、休憩していたのが55分だった。このペースだとほぼ標準並の速さで、早い人には抜かれたり、遅い人を追越したりになる。
この時間に新五合から六合目までの30分(歩き20分、休憩10分)を加えて5時間あれば富士宮口のバスの終点から山頂までは充分だろう。

六合目で受け取った朝食をここで食べる事にした。大きなお握りが2個と卵焼きや沢庵などが少々。塩味が利いたお結びも最後は水と一緒に飲み込むように食べ終えた。

          
          富士宮口側から剣が峰

 富士宮山頂の小屋の間を抜けて広場に出ると剣が峰が初めて見える。この景色を見ると山頂に着いた実感が湧く。
火口に近づきお鉢の中を覗きこむと去年より残雪が少なく感じた。
最後の登りになる馬の背も、足元を逆ハの字にして力強く蹴るようにして登る。
この程度なら昨日の宝永火口の「ズルズル」坂より余程も楽だ。
一気に馬の背を登りきり10時15分剣が峰に到着しました。

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