はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

大崩山塊・静焼アルプス縦走2

2014-03-31 10:45:36 | 低山歩き
歩行記録     歩行月日2014年3月28日
歩行時間:10時間50分   休憩時間:1時間20分   延時間:12時間10分
出発時間:6時00分   到着時間:18時10分
歩  数: 43、420歩   GPS距離24.2km

行程表
 安倍川駅 0:30> 佐渡山 0:30> 徳願寺 0:30> 仏平 0:10> 梵天山 0:20> 歓昌院坂 0:40>
 駿河峰 0:35> 大鈩山 0:45> 飯間山 0:45> 昼飯場 0:30> 三角点 0:15> 宇津ノ谷峠 0:25>
 蔦の細道 1:05> 444m峰 0:20> 満観峰 0:40> 日本坂峠 0:30> 花沢山 0:45> 砂張屋道標
 1:00> 石脇口 0:35> 焼津駅

観歩記
 旧東海道宇津ノ谷峠に12時20分到着。
静焼アルプスを6分割すると、最初の佐渡山から歓昌院坂が1区画、歓昌院坂~飯間山が第2区画。第3区画が
飯間山~宇津ノ谷峠。第4が宇津ノ谷峠~満観峰。第5が満観峰から花沢山。最後が花沢山~簡保下になりそうだ。
 ここ宇津ノ谷峠で半分の行程が終わったと思えばホットとするが、まだ半分も残っていると思うとガクッとくる。
しかもこれから蔦の細道へと行く道は、道とは言えないような斜面を登らなければならないので余計疲れを感じる。
 東海道を歩いた人は宇津ノ谷峠は左程難所とは思わなかったと思うが、峠の左右の斜面を上り下りすると聞けば
きっと「これが道?」と、ビックリすると思う。マーそれ程に見た目は大変だ。

 何時もなら掴む物の無い斜面は必ず1度はズルズルと滑ってしまうが、今日は一度で越す事が出来た。
理由は昨夜の雨で斜面が湿っていて滑る度合いが少なかったようだ。この斜面を捲くとなると、峠を西の岡部側に
下り、農道に合流したら、農道を登ることになる。これが中々の遠回りなので、どうしてもこの斜面を登りたくなる。
斜面、斜面と書いたが滑るのはホンの3m程で危険性は無い。そこさせ過ぎれば農道はすぐ上にある。

       
      宇津ノ谷峠・左:飯間山 右:満観峰            宇津ノ谷峠から満観峰の道

 農道に出たら国道の排煙施設まで農道を行く。舗装された道は歩きにくいというがとんでもない。さんざ木の根や
ガレ場を下って来た身にとっては、何と歩きやすい道だと思った。
しかし排煙施設からはまた山道になる。最初のなだらかなピ-クで方向を右に取り東に向かう。蔦の細道までは
こんな風な緩やかな起伏が続いて歩き易い。

 
             国道の排煙施設                      蔦の細道

 蔦の細道から富士山が見えるようになったが矢張り今日は駄目だった。静岡側は今迄杉林しか見えなかったが
富士山が見えるようになると、今まで気にしなかった峠の標識がやけに安っぽく見える。富士山にこの標識では
歴史ある蔦の細道の名がすたる。もう少し品のある標識にならないものか。
 峠の桜は5分咲き程度に咲いていた。

       
                 蔦の細道(静岡側)                  峠の桜

 444m峰は蔦の細道から3ッ目のピークになる。登りの厳しいのは最初のピ-クで峠から標高差100mの登らな
ければならない。疲れてきた足に不安を覚えるのこの辺りで、果たして明るい内に完歩できるか心配になる。
2個目のピークは下りが短かった分、登りも少なくて助かる。更にここの下りも短く鞍部には木の根が絡み合った
道もある。3個目のピークの登りはダラダラと長い登りになる。左(東)には正三角形のような丸子富士と満観峰が
樹間から時折見えている。高度を上げていくと前方右(南)に高草山が見えてくる。ここまで来れば444m峰は近い。
 444m峰の山頂は林の中で、しかも平坦なので分かりずらいが、道が左に90度曲がっていて、紐を張ってある。
2月に歩いた444m峰から廻り沢林道の道は、この紐に沿って入る林の中にあったが、一見しただけでは道がある
とは思えないような感じだ。

        
       2個目のコルの木の根の道                    444峰峰

 444m峰から20分で満観峰に到着。ここまで登山者に会わなかったが、ここでカップルの登山者に会う。
挨拶をしても二人の世界に入っていて、私に気が付かないのかこっちは無視。男性の歳は私と似たように見え
るが羨ましい限りだ。
 南の方角に三角点の山と花沢山が見えている。あの花沢山まで行けば厳しい登りは終わりだが、そこまで
行くには三角点と水分大神の石仏のあるピ-クを越して、更に日本坂峠から花沢山の最後の上りを登らな
ければならない。そう思うと大変だが、この尾根は日本坂峠から登るより、満観峰から行く方がよっぽど楽だ。
何しろ一番高い満観峰から、一番低いに日本坂峠に向かうのだ、と思えばいくらか気分は楽になる。

 
              満観峰山頂                           花沢山

 三角点と石仏のピークの下りは擬木の階段があり滑る心配はないが、一歩一歩が膝に響いてくる。それを
嫌って階段の横を歩く人が出て道が荒れてしまう。これを避けるには擬木の太さを細くして、階段の高さを低く
すれば横を歩く人は減るだろう。それに擬木が濡れていると踏んだ時滑るのも嫌いだ。何とかならないだろうか。
マー私は歩くだけで道の整備もしないのだから、そんな文句を言う資格は無いが。

 3時10分日本坂峠に到着。台風による倒木で明るくなった穴地蔵は峠からもよく見える。
この穴に日本武尊が隠れた伝説は面白いのだが、それを案内する標識は無い。岡部宿には小野小町が自分の
姿を映したという小橋に、案内板があり失笑してしまったが、ここなら失笑を買うようなことは無いと思う。
それに日本坂峠の名前の謂れも案内すれば、案外面白がってくれるのではないだろうか。
エッ! 日本坂峠の名前の謂れを知らない? それはこの峠を日本武尊が通った事で名前が付いたのだが、
これと同じ発想で日本平の名前もついたという。

 今日最後の厳しい坂を登り始める。峠の道標に花沢山まで35分と書いてあったが、普段なら30分で歩ける
だろう。しかし疲れている今は40分ぐらいは掛かるだろうか。果たしてどの位で登れるか。
 丸子富士の三角形の姿が後ろに見えてきた。今日は富士山が見えないので並べて写せないが、この山を何故
丸子富士と名付けたのか意味が分からない。これが富士山の見えない地方で、三角形の山を富士山に見立てて
△△富士と名付けたなら納得できる。だが富士山と一緒に見えるこの山を、富士と呼ぶ気が知れない。
 この山の山頂には「金光山蔵王権現」の石碑と祠があるので「金光山」とか、山頂の形からズバリ「三角山」でも
いい。更に言うなら柴屋寺から連歌師宗長が月の上がるのを見た山なので「吐月峰」でも良かったのではないか。
オットまた始まってしまった。止めよう。

 
            日本坂峠の穴地蔵                     丸子富士

 本来花沢山は眺めの良い山だが山頂は樹木に囲まれ視界が効かない。しかし山頂までの途中に焼津側と静岡側が
見える場所がある。焼津側はこれから歩く簡保の尾根も見えているが随分低く見えるので一安心だ。だが実際は
小さなアップダウンが幾つもあり、疲れた足にはダメージになる。でもあそこまで行けば完歩は間違いないだろう。
 一方静岡側は晴れていれば勿論富士山も眺められるので満足してもらえるだろう。今日は残念ながら富士山も
見えず、静岡市街も霞んでしか見えなかった。
しかしここまで登れば花沢山山頂はあと少し。頑張ろう。

 
            簡保の尾根と焼津港                    静岡市街

 何とも味気ない電波の反射板が見えたら花沢山の山頂です。
アレー 簡保の宿の向う道に新しい案内板が建っている。何だろうと見ると「大崩ハイキングコース通行止」
として「大崩海岸の海岸線崩壊が続いているため大崩ハイキングコース簡保の宿入口~砂張屋孫右衛門道標
(小浜地区降口)は現在通行できません。平成25年10月29日 焼津市観光課」
 となっていた。
 この案内板は1月に砂張屋の道標への登り口で見た案内とまるっきり同じものだ。だが花沢山へ2月11日に来た
時はこの案内は無かった。それにブログを見ていると、この区間は「支障なく歩けた」という記事も複数目にする。
それにしても崩壊が進んだのかしら? 困った問題が発生したものだ。しかし今ここで悩んでも仕方ない砂張屋の
道標まで行って、そこに案内板が無ければ簡保下へ行ってしまおう。もし案内板があったら下に降りるしかないか。
と決断した。

 日本坂峠から花沢山まで29分で歩けた。道標の時間が35分で私の予想は40分だった。それが30分を
切って歩けたなら、まだまだ大丈夫だろう。元気が湧いてきた。でも実際は道標の時間を見て無意識に頑張って
歩いてしまったのではないか。マーそれでも歩けたのだからヨシだろう。

 花沢山山頂で山頂日誌を開いてみると前回私が書いた近くに「はぐれさん ブログを読んでますよ」とあった。
単純な私はそれで舞い上がってしまい疲れも半減してしたのは良いのだが・・・・・・ マー止めましょう。
その後、自分のお調子者の性格に嫌気がさしてしまいました。
ともかくコメントを書いてくれた方に感謝します。

 
            花沢山山頂の反射板                    花沢山山頂

 花沢山名物の林の中の長い階段が続く。梵天山の階段の無い下りと比べてどちらが歩きやすいか? 
ウーン!難しいな。階段があれば滑らないしスピードが出ないので安全だが、何か足に響くような気がする。
しかし少しは足に響いても安全を考えれば階段は有った方のが良いと思うし。
 長い階段が終わり石部峠に到着。ここまで来れば厳しい登りも長い下りも無いので一安心だ。かと言って
この下にあるクマガイソウの様子を見に行く元気は無い。山頂ノートに今年のクマガイソウは1株しか芽が
出ていないと書いてあったが、いつごろ咲くのだろう。一度見てみたいのだが。

 石部峠から15分ほど行った左の海側に「簡保下⇒」の新しい標識が目に付いた。日付は今年になっている。
しかしここは道了権現より花沢山よりの場所だ。それなのに尾根より海側の中腹に簡保下までの道があるのか。
頭で考えるに海側の急傾斜地に道なぞ出来そうもないと思うのだが、標識は悪戯とは思えない造りだ。
ただこの標識は私が信頼している「M・S」さんの物ではなかった。
 新しい標識から10分で道了権現の祠に到着。そこから5分ほど下った公的標識の所で桜が咲いていた。
その桜の写真を写そうと脇道に入ると目印のテープが付いている。若しかしてさっきの簡保下の標識は
ここに出てくるのか、桜よりそっちの方が気になってしまった。そこから2分程度で大日堂の切通しに出た。

           
            花沢山の長い階段                   桜が八部咲だった

 ガク! 砂張屋の道標の横に市役所の通行止の案内板が立っていた。私の性格としてこれを無視することは
出来ない。きっと崩壊が進んでハイキングコースも危険になって来たのだろう。とそう思う事にした。
 さてでは焼津駅まではどのコースで帰ろうか、この下の農道を西に向かう道と、JRのガードから西に向かう
車道。それと花沢の里駐車場からやきつべの道を歩き、石脇口に出る道の3本がある。
一番楽なのはガード横の車道を行く道で、大変なのはやきつべの道なのだが、いずれも尾根を歩くより楽になる。
 あと少しで富士山の資格審査に合格できるのに、ここで安易な事をしたら後悔の種になる。なら少しでも苦労の
多いやきつべの道を行こう。そうすれば駅の近くにコンビニがある(これが決定打)。

 この山塊にはヤマブキが多いと紹介しておきながら、その写真が無いのが心苦しかった。
けど、有りました。どうですか、辺りが明るく感じませんか。
チラチラ散った花びらが、下の草の上に落ち、まるで別の花のようにも見えました。

 
            道標の横に通行止の案内が               ヤマブキに出合った

    
            二輪草の群落                     まだ小さい二輪草

 花沢の里駐車場の桜も咲いていた。わざわざこんな遠回りをする馬鹿は私ぐらいだろう。流石に花沢城址の
坂は大変だった。
 左に簡保の尾根が見えてきた。あの尖った山が大日堂だから、あそこから簡保下までのピークは、と数えると
5個もあった。あちらのアップダウンは5回。こちらは2回でしかも緩やかだ。それでも距離はこっちの方が若干
長くなるだろう。
 例年だと砂張屋の道標から簡保下までが長く感じ、中々着かなくてイライラするのだが、この歩き慣れている
車道ではそんな思いも湧かない。それだけでも心身ともに楽なんだろう。

 6時10分焼津駅に到着。ほぼ半日の資格審査は終わった。最後は若干楽をしてしまったが、先ずは合格だ。
乾杯の氷結が美味しかった。

 
             花沢駐車場                           風口坂