みちのくの山野草

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天文学への招待(前編)

2019-01-12 08:00:00 | ガリレオと賢治研究
《「近代科学への扉を開いたガリレオ」(『世界の伝記 ガリレオ』(大野進著、ぎょうせい)の口絵)》

荒木 では今度は、「第4章 天文学への招待」に入ろう。こんな風にして始まっている。
一六〇四年十月パドヴァ大学
なんだ あの明るい星は!
あんな星は今までなかったぞ!
学生:ガリレオ先生あの星はなんですか!?
ガリレオ:うーむ 金星より明るい星があるなんて…
学生:アリストテレス派の学者は太陽の反射で明るくなったんだと言ってます
ガリレオ:そんなことはない
      私は毎日 星を見ていたが あれはまちがいなくあたらしくあらわれた星だ
吉田 そうそう、このことに関しては、『世界の伝記 ガリレオ』(大野進著)では、こう書かれている。
 一年六か月にわたる観測を続けたガリレオは、ついに立った。大学で講演をやるのだ。
 その日、パドヴァ大学の大ホールは、超満員の盛況だった。…(投稿者略)…
「新星は流星にあらず。古星にあらず。最近出現した星で、やがて消え去るものと思われる。…(投稿者略)…
 惑星は、目で見る位置が時々刻々変わってゆくが、かの新星はその動きが見られない。ということは、すべての惑星より遠くにある恒星の一つであることを証明していると思われるのだ。」…(投稿者略)…
 ガリレオの予言通り、やがて新星の輝きは漸滅する。スコラ学者の天の不変性に、ガリレオは手痛いパンチを浴びせたのだ。
           〈『世界の伝記 ガリレオ』(大野進著、ぎょうせい)88p~〉
鈴木 ということは、逆にガリレオはスコラ学徒から手ひどい攻撃を受けただろうに。
吉田 そこなんだよ、それを鈴木に言わせたかったんだ。何となれば、続けて『世界の伝記 ガリレオ』にはこう書かれているからだ。
 ガリレオは、ピサ大学のときと同じようにスコラ学徒の怒りを買った――数学者が領域外の天の構造について口を出すとは何事か。それは哲学者の仕事ではないか。いつかはこの不敬な男に目にもの見せてくれよう。
           〈89p~〉
荒木 な~るほど、田舎の年老いた数学者の端くれが領域外の「賢治研究」に口を出すのは何事か、という怒りを買った。そこで、目にもの見せてくれようぞといういうことでなされた仕打ちがあの一連のハラスメントだったというわけか。
吉田 そこまではどうかはわからぬが、構図はそっくりだろう、な鈴木。
鈴木 いやいや、滅相もございません。それよりも続きの方をやろうよ。
 ガリレオはそこで、
 空にかがやく星をもっとくわしく観察できる方法があればよいのだが…
と願ったのだろう。
吉田 そう。その願いどおり、ガリレオはほどなく自分で望遠鏡を作れたんだ。そしてその「ガリレオ式望遠鏡」で1610年1月7日に月を観察した。するとこうだ。
ガリレオ:月がまるですぐ目の前にあるように大きく見える
      なんだ!?あの表面のでこぼこは!?
      あれはきっと山だ!?
      月にも山や谷があるんだ!?
荒木 そんなの当たり前だろう。なんで「!?」マークが何度も何度も出てくる必要があるんだよ。
吉田 実はな、アリストテレスは「月はなめらかで完全な球体だ」と言っていたのだが、ガリレオはそれが間違っていたことを確信したと、いうことの意味の「!?」じゃないのか。
荒木 となれば、スコラ学徒にとっては気が気でないわけだ。
吉田 一方のガリレオは、この望遠鏡で新たな事実を次々に発見し続けることになる。
鈴木 それじゃますます、アリストテレス派にとってガリレオは邪魔な存在になっていったということか。
荒木 そして、これと似たようなことがお前の周辺で最近起こっているということだ。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

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 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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