みちのくの山野草

みちのく花巻の野面から発信。

ガリレオが生きていた当時の時代背景

2019-01-07 10:00:00 | ガリレオと賢治研究
《『コミック版 世界の伝記 ガリレオ』(能田達規著、ポプラ社)》

荒木 ところで、ガリレオの伝記にちょくちょく顔を出すアリストテレスって何者だったんだっけ?
吉田 彼についても、この本は少しだけだが言及している。ほらこの「キリスト教とアリストテレス」という項でだ。
荒木 どこどこ、こう書いてあるぞ。
 古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「万学の祖」ともよばれる、いろいろなことを研究した人物でした。たくさんの動物を観察し、驚くほどの正確さで分類したことはとくに大きな功績です。アリストテレスが残した研究は13世紀にキリスト教に取り入れられ<*1>、多くの学者に支持されることになります。ただ、「天動説」などのあやまった考えまでひろまってしまいました。アリストテレスの教えることは、いわば神様のおすみつきとでもいうべきものになっていましたから、ガリレオの生きた時代にはアリストテレスがまちがっていると言うことはとてもたいへんなことでした。
          〈『コミック版 世界の伝記 ガリレオ』(能田達規著、ポプラ社)114p〉
 そうか、アリストテレスってすごい哲学者じゃないか。しかし、そのような偉大な人物でも当然人間だもの間違うこともある。人間はその時代その時代に生きているのだから、それは当たり前だべ。
鈴木 しかし自分の信じ込んでいたことが間違っていると指摘された場合、いかなる時代でもなかなか素直にはそれを受け入れがたい、というのも人情としてはよくわかるなあ。
吉田 僕も人情としてはわかるが、学問の世界では許されん。
荒木 ふ~む、それってそういえばどっかで見た光景なんだよ。
吉田 「それ」って、もしかすると『賢治学界』においてということか。
荒木 うん、そうだ、そこだったんだ。鈴木が先に出版した『本統の賢治と本当の露』に対する、どっかからのハラスメントと似た部分がそこにあったからだったのかもしれん。ならば鈴木はどうよ。
鈴木 いや、当人の口からは曰く言い難しだ。
吉田 いずれにせよ、そこにアリストテレスはは居ない。だが、「総体としてのアリストテレス」は存在していて、それに対して、「まちがっていると言うことはとてもたいへんなことで」あるという実態は否めない。そしてまた、そこにはスコア学徒ならばうじゃうじゃ居る。
荒木 なんだっけ、その「スコア学徒」っていうのは……あっ思い出した。先に吉田が、
と言ったあれだ。
鈴木 そっか、あの時の「あすこ」とはやはり「ここのこと」だったのか。
 そしてその時に私は、たしか、
 「それらに註釈をほどこし、また註釈を重ね、自己の論拠の立証が必要となれば、たちどころにアリストテレスから引用する」<*2>という構図等は、石井氏の嘆くところだね。だから、どこかでしばしば私がみている光景なんだな。
というようなことを言ったはずだ。が、かといって、「あすこ」が「そこ」であって、
    『賢治学界』にスコアは学徒がうじゃうじゃ居る。
ということになると、やはり信じたくないな。
荒木 なんか面倒臭い話になってきたな。だからこのことはしばらく措いておいて、もうそろそろ本文に入っていこうよ。

<*1:註> 『世界の伝記 ガリレオ』(大野進著)によれば、
 彼(アリストテレス)の著作は、さまざまの道筋をたどったあげく、中世ヨーロッパ世界へ上陸する。
 十三世紀、卓越した頭脳に恵まれたカトリックの修道士トマス・アクイナスはこの難解な哲学者を十分に咀嚼したあげく、それをキリスト教の教義と結びつけ、動かしがたい思想のとりでに築きあげた。
「この世のすべては神の定めたもう法に基づくがそれはなぜか、すべての存在の窮極の目的は何かを、アリストテレスは余すところなく教えている。」
            〈『世界の伝記 ガリレオ』(大野進著、ぎょうせい)34p~〉
ということである。
<*2:註> 先にも一度引用したものだが、『世界の伝記 ガリレオ』において、
 アリストテレスの諸著作は半ば信仰的に研究されるようになる。それらに註釈をほどこし、また註釈を重ね、自己の論拠の立証が必要となれば、たちどころにアリストテレスから引用する……それが学者と言えるほどの者なら、やるべきことということになった。アリストテレスは、二流の学者のアラジンのランプになったのである。これらの学者のことを、ふつう〝スコラ学徒〟と言っている。
            〈同35p~〉
と述べられている。

 続きへ
前へ 
“「ガリレオと賢治研究」について”の目次」へ移る。
 ”みちのくの山野草”のトップに戻る。

 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

             〈平成30年6月231日付『岩手日報』一面〉
を先頃出版いたしましたのでご案内申し上げます。
 その約一ヶ月後に、著者の実名「鈴木守」が使われている、個人攻撃ともとれそうな内容の「賢治学会代表理事名の文書」が全学会員に送付されました
 そこで、本当の賢治が明らかにされてしまったので賢治学会は困ってしまい、慌ててこのようなことをしたのではないか、と今話題になっている本です。
 現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ガリレオ・ガリレイの略年譜 | トップ | 節分草大分咲いた(1/7) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ガリレオと賢治研究」カテゴリの最新記事