《『批評空間 Ⅱ 14』(太田出版)の表紙》
そして吉田司氏は、こう心情を吐露していた。
この『宮澤賢治殺人事件』を書くとき、私はとても怖かったということです。…投稿者略…国民的神話とか民衆正義の物語をひっくり返すってのは、すごく怖いんです。たった独りで日本中を敵に回さねばならない、という風に書き手の方が追いつめられちゃう気がするんです。
〈『批評空間 Ⅱ 14』(太田出版)9p~〉私はここに至って、怖いもの知らずの吉田氏とばかり思い込んでいたのだが、そうでもなかったのだということを知って、そうかそんな恐怖をノンフィクション作家という矜持と共に一方で抱えていたのかと、妙な安堵と強い共感を覚えた。それは、私のような一介の老人でさえも、「国民的神話ひっくり返すってのは」怖くはないとしても、とてつもなくコワイ(こちらの方言で、しんどいの意)ということだけは思い知らされてきたからである。あるいは、「日本中を敵に回さねばならない」とまでは思わないが、理不尽な仕打ちさえも受けてきたからだ。
さりながら吉田氏はぽつりと、
今回の場合はおふくろの問題が根底にあったから、書きやすかったんですけれど。
〈同10p〉と言い添えているのを知って、私も心の中で、
そうなんですよ、私も賢治の甥が恩師だったので書きやすかったんですけれど。
と、吉田氏に応えた。続きへ。
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************先頃、「非専門家の調査研究・報告書」だからという理由で「宮城県図書館」から寄贈を拒否された『本統の賢治と本当の露』です***********
賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものである。そして本書出版の主な狙いは次の二つである。
1 創られた賢治ではなくて本統(本当)の賢治を、もうそろそろ私たちの手に取り戻すこと。
例えば、賢治は「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」し「寒サノ夏ニオロオロ歩ケナカッタ」ことを実証できた。だからこそ、賢治はそのようなことを悔い、「サウイフモノニワタシハナリタイ」と手帳に書いたのだと言える。
2 高瀬露に着せられた濡れ衣を少しでも晴らすこと。 賢治がいろいろと助けてもらった女性・高瀬露が、客観的な根拠もなしに〈悪女〉の濡れ衣を着せられているということを実証できた。そこで、その理不尽な実態を読者に知ってもらうこと(賢治もまたそれをひたすら願っているはずだ)によって露の濡れ衣を晴らし、尊厳を回復したい。
〈目次〉〈はじめに〉
………………………(省略)………………………………
〈おわりに〉
〈資料一〉 「羅須地人協会時代」の花巻の天候(稲作期間) 143
〈資料二〉 賢治に関連して新たにわかったこと 146
〈資料三〉 あまり世に知られていない証言等 152
《註》 159
《参考図書等》 168
《さくいん》 175
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