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《『批評空間 Ⅱ 14』(太田出版)の表紙》
そして、先の「おふくろの問題」に関連して関井光男氏は、
(『宮澤賢治殺人事件』は)確かに今までの本と構造は同じかも知れないけれども、一つ決定的に違うところがあります。これまでの対象は、あなたが(吉田氏のこと)選んだものだ。どんなに深入りしても、疎遠である。しかし、今回の本には、身近にいたあなたのお母さんの問題がある。それは自分で選んだものではない関係だし、否定しても残る関係です。『宮澤賢治殺人事件』における「殺人」という言葉が、何か生々しく感じられるのはそのためではないか。
〈『批評空間 Ⅱ 14』(太田出版)11p〉と述べていた(なお、「これまでの対象は」とは、三里塚、水俣、雅子妃、ひめゆり、そして賢治などのことを指す)。
私はこの解説を知り、そして自分自身に照らし合わせながら、「実は私もそう感ずるんですよ」ととても心強かったし、励まされた。賢治の甥、岩田純蔵が私の恩師だったからこそ、私はここまで検証作業を続けてこられたし、とりわけ、濡れ衣を着せられた高瀬露の名誉と尊厳を取り戻すためにこれからも粘り強く取り組みたいと思えるのです、と。
そして関井氏は、こう続けていた。
欠点をあげつらうのは、優越感に浸りたい品性劣悪な研究者か、ルサンチマンにとりつかれている人だけです。『宮澤賢治殺人事件』の骨格を揺るがすようなことが出てくるとは思えない。
〈同〉と。そして続けて、その理由を、
『宮澤賢治殺人事件』においては、宮澤賢治という聖者伝説批判が宮澤賢治の研究者批判になっているんですから。
〈同〉と断定していた。
これを受けて吉田氏が「だけど怖いですよ。…投稿者略…ほんとに震えながら書いた」と言ったならば、柄谷氏が、
ぼくもいつもそういう状態だ書いてますから、よくわかります。ただ震えたようなそぶりは絶対見せませんが。
〈同〉と吐露して、笑いを誘っていた。
そこで私は、このような方々でさえも「ほんとに震えながら書い」ているのだということを知り、その作家としての覚悟と矜持を知った。同時に、生意気にも、「それでなきゃダメですよ」と私はあやうく声を発しそうになった。
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賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』
本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものである。そして本書出版の主な狙いは次の二つである。
1 創られた賢治ではなくて本統(本当)の賢治を、もうそろそろ私たちの手に取り戻すこと。
例えば、賢治は「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」し「寒サノ夏ニオロオロ歩ケナカッタ」ことを実証できた。だからこそ、賢治はそのようなことを悔い、「サウイフモノニワタシハナリタイ」と手帳に書いたのだと言える。
2 高瀬露に着せられた濡れ衣を少しでも晴らすこと。 賢治がいろいろと助けてもらった女性・高瀬露が、客観的な根拠もなしに〈悪女〉の濡れ衣を着せられているということを実証できた。そこで、その理不尽な実態を読者に知ってもらうこと(賢治もまたそれをひたすら願っているはずだ)によって露の濡れ衣を晴らし、尊厳を回復したい。
〈目次〉![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/47/5d6e0b367182e54cee8c88eaafc0b0d9.png)
〈はじめに〉
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………………………(省略)………………………………
〈おわりに〉
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〈資料一〉 「羅須地人協会時代」の花巻の天候(稲作期間) 143
〈資料二〉 賢治に関連して新たにわかったこと 146
〈資料三〉 あまり世に知られていない証言等 152
《註》 159
《参考図書等》 168
《さくいん》 175
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