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********************************** なお、以下は今回投稿分のテキスト形式版である。**************************
4 〝「水稲肥料設計」の様式〟について
千葉恭が持っていたとも思われる資料「巖手縣稗貫郡地質及土性調査報告書」であるが、同様千葉恭が持っていたと思われる資料に「水稲肥料設計」がある。それは「宮澤賢治先生を追つて(四)」に載せている次頁のような様式
〝「水稲肥料設計」の様式〟
であり、千葉恭は次のように説明を付している。
羅須地人協会はその意味の開設であり、肥料設計は具体化された方法であつたのでした。土壌改良により一ヵ年以内に今迄反当二石の収穫のものが、目に見えて三石位穫れるとすれば、たとえ無智な百姓であつても興味を持ち、進んで研究もする様になるだらうと信じられたからでした。先生の無料設計をしていくことになつたのも、このやうなことが考えられての結果だつたのです。肥料設計書の様式は次のやうな、先生独特のものであります。
<『四次元9号』(宮澤賢治友の会)>
と。
さて、この様式の中には
「大正 年度耕種要綱」
という項目があるから、おそらくこの〝「水稲肥料設計」の様式〟は大正末期に用いたタイプなのだろう。
なおこの〝「水稲肥料設計」の様式〟だが、『新校本宮澤賢治全集』(筑摩書房)には未だ掲載されていない<*>のではなかろうか。一般に〝羅須地人協会〟と明記されている資料は多くないと思うが、この〝「水稲肥料設計」の様式〟にはそれが明記されているのに、である。気になる。
<*>佐藤成著『宮沢賢治―地人への道』には載っている。
******************************************************* 以上 *********************************************************
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ある著名な賢治研究者が私(鈴木守)の研究に関して、私の性格がおかしい(偏屈という意味?)から、その研究結果を受け容れがたいと言っているという。まあ、人間的に至らない点が多々あるはずの私だからおかしいかも知れないが、研究内容やその結果と私の性格とは関係がないはずである。
おかしいと仰るのであれば、そもそも、私の研究は基本的には「仮説検証型」研究ですから、たったこれだけで十分です。私の検証結果に対してこのような反例があると、たった一つの反例を突きつけていただけば、私は素直に引き下がります。間違っていましたと。
一方で、私は自分の研究結果には多少自信がないわけでもない。それは、石井洋二郎氏が鳴らす、
あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること
という警鐘、つまり研究の基本を常に心掛けているつもりだからである。そしてまたそれは自恃ともなっている。そして実際、従前の定説や通説に鑑みれば、荒唐無稽だと言われそうな私の研究結果について、入沢康夫氏や大内秀明氏そして森義真氏からの支持もあるので、なおさらにである。
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そのようなことも訴えたいと願って著したのが『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』(鈴木 守著、録繙堂出版、1,000円(税込み))
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であり、その目次は下掲のとおりである。
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