《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》
では今度は「弘教のモデルとしての菩薩のふるまい」という項に入る。植木氏は次のように続ける。
常不軽菩薩は、長い間そのような実践を続け、ついに臨終間際となります。
つまりこの菩薩は、それまで『法華経』を知らなかったのです。臨終の間際となった時、空中から『法華経』の声が聞こえてきた。それを素直に受け止め、そして六根清浄を得て、「まだ死んではいられない。もっと生きなければ」と思って寿命を延ばし、そこからはじめて経典としての『法華経』を説くようになっていきます。
〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)105p~〉 「ところで、得大勢よ、死が近づき、命の終わりが迫った時、その偉大なるサダーパリブーダ菩薩は、この〝白蓮華のように最も勝れた正しい教え〟(法華経)という法門<*1>を聞いた。…(投稿者略)…誰も語っていない空中から声を聞き、この法門を受持し、(中略)六根清浄<*2>を獲得した。これらの六つの感覚の能力の清らかさを獲得すると、直ちに自身の生命を存続させる働きを神通力をかけて…(投稿者略)…法門を説いた」
つまりこの菩薩は、それまで『法華経』を知らなかったのです。臨終の間際となった時、空中から『法華経』の声が聞こえてきた。それを素直に受け止め、そして六根清浄を得て、「まだ死んではいられない。もっと生きなければ」と思って寿命を延ばし、そこからはじめて経典としての『法華経』を説くようになっていきます。
さらに、
誰に対しても「あなたを尊重します」と語る常不軽菩薩品のふるまいは、滅後の弘教のモデルととらえることができます。
〈〃106p~〉と。
そこで私は膝を打った。そうかそういうことだったのかと。そういえば、弘教がいかに大変なことであり、困難なことであるかということなどを以前釈尊は語っていたが、その弘教の便法の一つとして『法華経』に常不軽菩薩を登場させたというわけか、と私には解釈できたからである。
<*1:投稿者註> 広辞苑によれば、
【法門】
衆生の仏法に入る門。仏の教法。法の門。
衆生の仏法に入る門。仏の教法。法の門。
<*2:投稿者註> 広辞苑によれば、
【六根清浄】
①六根が福徳によって清らかになること。
②③略
【六根】
〔仏〕六識を生ずる六つの感覚、すなわち眼・耳・鼻・舌・身・意の称。
〈共に『電子辞書PW-M800』(シャープ)所収の広辞苑より〉①六根が福徳によって清らかになること。
②③略
【六根】
〔仏〕六識を生ずる六つの感覚、すなわち眼・耳・鼻・舌・身・意の称。
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