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《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》
では今度は、「『法華経』を実践する場所こそ聖地である」という項に入る。植木氏によればこうである。
釈尊は言います。
〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)111p~〉「良家の息子たちよ、果樹園であれ、精舎であれ、在家の家であれ、森であれ、…(投稿者略)…洞穴であれ――この法門が読誦され、解説され、説き示され、書写され、考察され、語られ、朗詠され、…(投稿者略)…どこであれ(中略)実にすべての如来<*1>たちの覚りの座であると知られるべきである(中略)また、地上その場所において、正しく完全に覚った尊敬されるべきすべての如来たちが、この上ない正しく完全な覚りを覚られたのだと知るべきである。また、地上その場所において、すべての如来たちが、真理の車輪を転じられたのであり、さらには地上のその場所において、すべての如来たちが、完全なる滅度に入られたのだと、知るべきである」
と。
さりながら、ますます私には訳が分からなくなってきた。そもそも、釈尊のこの「言」が何を言いたいのか私には全くと言っていいほど分からないからである。
ところが植木氏はこのことについて、
釈尊ゆかりの地を実際に訪ねることよりも、『法華経』を実践していることこそが大事なのだということです。
〈〃112p~〉と述べていたから、なぜそう解釈できるのかは私にはよく分かぬが、そういうことであればそれは当然のことであるから、現時点ではひとまず私もそう解釈することにしよう。
さらに植木氏はこの項の最後に、
日蓮には「立正安国」という言葉もあります。これも正しい教えが一人ひとりの生き方に確立されれば、その結果として国が安んじるということです。人間の生き方に『法華経』の思想が体現されてはじめて、安国がある。
〈〃113p〉ということだと思います、とご自身の考えを述べていたのだが、日蓮の「この論理」そのものが正しいかどうかも私には分からぬが、「この論理」はあの、
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福 はあり得ない。
とほぼ同じ構造をしているなあ、と直感した。併せて、ここまで少しく『法華経』を学んできて感じつつあるのだが、
賢治は『法華経』から強い影響を受けていたことは間違いないだろうが、それ以上に日蓮の影響が、そしてそれよりも田中智学の影響が決定的であった。
と言えるのではなかろうか。<*1:投稿者註> 広辞苑によれば、
【如来】
仏十号の一。仏の尊称。「かくの如く行ける人」、すなわち、修行を完成し、悟りを開いた人の意。のちに、「かくの如く来れる人」、すなわち、真理の世界から衆生救済のために迷界に来た人と解し、如来と訳す。
〈『電子辞書PW-M800』(シャープ)所収の広辞苑より〉仏十号の一。仏の尊称。「かくの如く行ける人」、すなわち、修行を完成し、悟りを開いた人の意。のちに、「かくの如く来れる人」、すなわち、真理の世界から衆生救済のために迷界に来た人と解し、如来と訳す。
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《『本統の賢治と本当の露』の広告 》(平成30年5月1日付『岩手日報』一面下段)
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この度、『本統の賢治と本当の露』(鈴木守著、ツーワンライフ出版、定価(本体価格1,500円+税))
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を出版いたしましたのでご案内申し上げます。
本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものです。
現在、岩手県内の書店やアマゾン等でネット販売されおりますのでどうぞお買い求め下さい。
あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
電話 0198-24-9813
なお、〈目次〉は以下のとおりです。
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