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刺繍作家・東海林ミモザさん◆八丈島を彩る人々(17)

2019年09月29日 23時22分12秒 | インタビュー
日曜に時々お届けしている八丈島民インタビューシリーズ『八丈島を彩る人々』をアップします。今回の気になる人は刺繍作家・東海林ミモザさんです。聞きたいことがたくさんあって長いインタビューになりました。どうぞお楽しみください。


HACHIJO ISLAND CROSS STITCH T-SHUIT
刺繍:東海林ミモザ デザイン編集:写真家・八木千賀子 販売:URUCRAFT

八丈DAYワンディショップ三人展で販売して大好評だった八丈アイランド・クロスステッチTシャツ。このデザインの元となる刺繍を制作したのが東海林ミモザさんです。こちらは写真家・八木千賀子さんとのコラボ商品ですが、ミモザさんのオリジナル商品も八丈ビジターセンター内ジェラテリア365、空港売店、雑貨屋ラミ、椎(しいのき)、ホテルなどで販売されています。

八丈島モチーフの刺繍をプリントしたマグカップなどの商品は、八丈島土産として、また離島する方へのプレゼントにと、よく売れています。こんなかわいい刺繍を生み出す人はどんな人なんでしょう?ずっと前からゆっくりお話ししてみたいと思っていました。


刺繍作家・東海林ミモザさん(本名) 1988年8月17日生まれ(31歳)
東京生まれ 4年前に八丈島に家族と移住
八丈ビジターセンター内ジェラテリア365にて

●八丈島に移住したきっかけを教えてください。
 たまたまタイミングが重なってですね。それまで教員(国語教師)をやってたんですが育休で休んでる間に考え方が変わって、教員を辞めたんです。主人も企業に勤めてたんですが、自分のやりたい仕事一本に切り替えるタイミングで勤めを辞めたので、どこに住んでもいい状態になったんですね。それで、子どもが小さいうちに(大きくなると転校とか大変なので)、面白い所に住んでみようかということになったんです。

●それまで八丈島に来たことはあったんですか? 
 ちょっとしたきっかけがあって、引っ越す1年前に八丈島に旅行で来ました。田舎というと閉鎖的なイメージがを持ってたんですけど、ここに来たときに開放的で明るい田舎という感じがすごく良くて、ここなら住んでもいいかなと思いましたね。

●住んでみてどうですか?良いところ悪いところありますか? 
 主人はもともと田舎というか静かなところが好きなんです。わたしは田舎があまり好きではなくて、都会が好きだったんですけど、暮らしてみたら八丈島は緑が多くて植物が多いから見てるだけで楽しいし、荷物もちゃんと届くし、不便さは特に感じていません。家賃も安いし、東京にいると電車賃や駐車場代や観たいものが多くて暮らすのにお金がかかるけど、そういうものはいらなかったのかも、と思いました。

●ミモザさんのように集中して創作活動をしたい人には島暮らしは向いてるかもしれませんね。
 そうなんです。目移りする選択肢が狭められたのが逆に良かったかなと思ってます。たまに上京したときに何か観に行けたらすごく楽しくなるし。それでいいかなと。
 それに子育てがすごく楽です。ささいなことですが、東京では公園へ行っても知らない人ばかりだったのが、島では公園行けば誰かいるし、ほど良い距離間でみんな友達みたいな感じで、迷子になった子どもがいても、誰かしらがわかって引き止めてくれるようなところです。最初は、住んでみて合わなかったら出ればいいやと思ってたんですけど(いまでもそれはありますが)、なんかもういまは戻る方が怖いぐらいの気持ちです。

●住んでみて悪いところはないですか?
 悪いというわけではないですけど、戸惑ったのは、プライベートをどこまで話すかということですね。距離の取り方がわからなくて、最初は警戒気味にしてました。けっこう話が伝わってしまうのあるじゃないですか。それに驚いたりした感覚を忘れないようにしたいなとは思います。


ミモザさんの刺繍作品

●作るのは昔から好きだったんですか?
 はい。小学生の頃は作るのがほんとに好きで、わたしはひとりっ子なんですけど、友達とにぎやかに遊ぶより静かにしていたいタイプだったので、家でよく作ってましたね。母が手芸が好きでパッチワークをやってたので、布を分けてもらったりして一緒にやってました。

●刺繍を始めたのはいつから?
 刺繍も小学生の頃からやってたんですけど、中高大は刺繍が好きなことも忘れていて(中学はバレー部、高校は弦楽部、大学ではオーケストラをやってました)、子どもが生まれる前ごろから手芸が気になり始めましたね。それで東京にいた頃も図案を見てテーマなくやってはいたんですけど、島へ来てから自然のものを見て、「あれもかわいい!これもかわいい!」と思うと「刺繍にしたい!」とすごく思ってしまって、それでどんどん制作を進めていった感じです。


ミモザさんの刺繍作品

●ミモザさんの刺繍はどれも大好きですが、中でも一番イタチが好きなんです。顔がそっくりでかわいくて、雰囲気がよく出ています。
 ありがとうございます。でも、イタチは外来種なのでビジターセンターには置いてもらえないんですよ。だからイタチの商品はビジターセンターにはありません。

●うわ!厳しいな。そうなんですね。ちなみにイタチの制作時間はどのくらいですか?
 6時間ぐらいですね。3時間ずつ2日かけて制作しました。1日で刺してしまうと翌日見たときに、(なんか違うかも)と思うことがあるので、1日空けて色みとかを見て制作するようにしてます。

●刺繍をプリントした商品はいつから作り始めましたか?
 1年ぐらい前、娘が保育園に入るちょっと前に、娘のためにアカコッコをクロスステッチで刺したキーホルダーを作ってあげたんですね。それをインスタにアップしたら「雑貨屋ラミ」さんが見てくれて、「作品をうちに置いてみない?」と声かけてくださったんです。それからですね。最初は刺繍したものをヘアゴムなどにして販売してたんです。でも時間かかるし、刺繍したものは洗うと傷むので洗えないので、洗っても大丈夫なものを作りたいなと思ってプリントしたマグカップを作り始めました。

●わたしは販売されてないイタチのマグカップがほしいんですけど、刺繍見本に番号付けて、名前や文字が入るオーダー制にしたらもっと売れるんじゃないでしょうか?
 あ~それはいいかも。やろうかな。考えてみますね。

●ぜひお願いします。これから刺繍してみたいものはありますか?
 今年は島の動物で攻めてるんですけど、来年は花にいきたいんです。でも、いっぱいありすぎて、写真だけは撮りためてるんですけど、やっぱりその季節に実物を見ながらやりたいんですよね。追いつかなくて悶々とします。アイディアだけはいっぱいあるんですけど、作業が追いつかないんですよ。

●ミモザさんのホームページを見ると、ベビー布団も制作販売してますよね?作るようになったきっかけは何ですか?
 娘が生まれたときに、主人が「ベビー布団を作りたい」と言いだしたんです。わたしは最初は買えばいいんじゃないかと思ってたんですけど、主人にはオーガニックコットンで作りたいというこだわりがあって、布団屋さんに頼んで教えてもらって娘のベビー布団を作ったのがきっかけです。

*MIMOZA note
ミモザさんのホームページ。
※ベビー布団のご注文はこちらから。

●いまは少子化で子どもを大切にする人が多いから、オーガニックコットンのベビー布団なんかは知られたらけっこう需要はありそうですね。
 そうなんです。もっと宣伝すればいいのかもしれないけど、わたしがいまけっこう仕事をたくさんしてるので、忘れた頃に注文がくるという今ぐらいのペースがいいかなと思ってます。

●現在、どんなお仕事をしてますか?
 「雑貨屋ラミ」さんで販売のお仕事を週2回ぐらい、小学校の放課後支援「がじゅまる」に週1~2回行って、藤巻商店さんから裾上げのお仕事をいただいて、週に何度かやってます。その他に、自分の刺繍の創作と、時々ワークショップを開催します。


※こちらのワークショップは終了しました。

●ミモザさんのワークショップは小さなお子様連れのママたちに大人気ですが、これからも定期的に開催していく予定ですか?
 そうですね。お子様連れ限定というわけではないんですけど、平日の午前中とか、子連れの人たちしか来れない時間帯にやってるからかもですね。わたしはどんな人が来てくれてもかまわないんですけど、自分もいま小さな子を持つお母さんの気持ちに近いし、そういう人たちは日中子どもとずっと一緒にいて自分の好きなことができない人が多いし、小さな子を持つ人こそ手芸が気になるのもわかるし…というところで、お母さんたちが来やすい時間に設定しています。

●きっと参加してるママたちは嬉しいだろうなと思いながら開催のお知らせを拝見しています。
 おしゃべりしながらなので楽しいですよ。わたしも楽しいです。子どもたちは子どもたちで遊んでくれるので。

●自分の中での仕事のバランス的にはどうなんですか?刺繍とワークショップが2本柱な感じ?
 そうですね。でも今年は刺繍で作りたいものが多くて、ワークショップの開催が昨年より減っています。ワークショップも開催したいとは思ってるんですけど、来年もお花の刺繍を始めると、また減ってしまうかもですね。

●作品を作ってるときが一番楽しいですか?
 そうかもですね。あとはアイディアを練ってるときですね。アイディアを常に考えててるから不眠症なんですよね。頭が常に働いていて眠れなくて。


ミモザさんが好きな八丈植物公園内温室のタビビトノキの前で撮影

●八丈島でお気に入りの場所やおすすめスポットがあったら教えてください。
 植物公園の温室、図書館、カフェ・カシェート、末吉の洞輪沢(ぼらわざわ)温泉が好きです。植物公園は刺繍にしたいお花がたくさんあるのでよく来ます。カシェートさんは手芸の雑誌が置いてあって、新しいアイディアがひらめいたりするので、月に1度くらい行ってますね。洞輪沢温泉は塩辛くないので。わたしは塩ぽいと肌にしみるので、他の温泉はつらくて…洞輪沢だけ安心して入れるんですよ。混んでないし。遠いからあまり行けないんですけど、行くときは家族で行ってます。

●八丈島の図書館もいいですよね。どんな本を読んでるんですか?
 新刊がすぐ借りられるんです。読むのは手芸関係と最近はミニマリスト(捨てて減らす)系をよく読みますね。わたしは材料を抱えてる以上けっこう難しいんですけど、すべての材料を使う手段を見いだせちゃうから、逆に自分でちゃんと捨てていかないとどんどん物が増えちゃうので。それで意識して捨ててはいるんですけど…でも多い方だろうなぁ。

●温泉がしみると仰いましたが、ミモザさんはアトピーのことをホームページに書いてますね。お聞きしてもいいですか?
 大丈夫です。わたしは0歳の頃からアトピー体質で、小さい頃は全身包帯巻きぐらいなときもあって、その後は落ち着いていても関節や顔に出る状態が続いていて、ずっとステロイドを使ってたんですね。でも主人が薬とか嫌いなので、やめられたらやめた方がいいよと言われて、食生活とか環境とか原因因子になるようなことをつぶしていったんです。だいぶ良くなってたんですけど、島に移住したら湿度のせいかあせもがひどくて、それでアトピーも復活しちゃったんですね。島に来たら自然があるから良くなるかなと思ってたんですけど、逆に悪化しちゃって…汁は出るわ、顔はむくむわで、人に会いたくない状態になってしまったので…島内で枇杷葉温圧療法をやってる人のところへ行ってみたんです。そこで薬草のことを教えてもらいました。セイタカアワダチソウがいいよ、と言われて、一緒に採りに行ってくれて、そのお風呂に入ったら、1ヶ月ぐらいで治っちゃったんです。

●セイタカアワダチソウはお風呂に乾燥させて入れるの?そのまま?
 どっちもやりましたけど、どちらでもいいと思います。わたしは面倒なので、切ったらそのままぽいと入れてました。どっちでも泡が立つし。

●泡が立つの?たくさん入れるの?
 泡が立つんですよ。わたしは効果を期待してたくさん入れましたね。

●毎日そのお風呂に1ヶ月入ったら改善されたんですね?
 わたしは良くなりましたね。もうぜんぶなくなっちゃったんで。

●すごいですね。
 薬草って面白いと思って、そこから薬草研究会にも入りました。


たまにはアイスも食べます ジェラテリア365にて

●アトピーで食生活はどんなことを気をつけてますか?
 常に言われてるのは、添加物とか甘いものを控えるということ。子どもの頃からずっと言われていて、でもずっと我慢してると反動で結局食べちゃったりするんですよ。それを常に意識してるのは良くないなと最近は思っていて、おいしいものをおいしく食べるのが一番いいな、というのがいまの意見です。昔はマクロビもやったし菜食とかいろいろやったんですけど、やりすぎると他の食材を否定することになるので、ぎすぎすしてつまらないなと思って。

●毎日の食生活を教えていただけますか?朝昼晩どんなものを食べてますか?
 朝は、小麦粉、水、塩少々をワッフルメーカーで焼いて、チーズのせたり、黒胡麻のペーストに砂糖を入れて甘くしたのをかけたり。それにコーヒーぐらい。昼はだいたい麺です。夏は週3ぐらい冷やし中華ですけど。笑 サラダ麺みたいにしたり。冷やし中華に飽きたらうどんに変えたりとか。夜もうちはわりと粗食の方だと思います。ご馳走にはあまりしないし、しても量は少なめです。うちはあまりたくさん食べる人がいなくて、主人も走る関係で節制してるので。粗食になれちゃうとあまり食べれなくなって、いまは食べ放題とか絶対嫌ですね。

●腹八分目ということですね。
 そうですね。それが自然にできてきてるかなと思います。

●すごいですね。やっぱり良いスタイルをキープしてる人は気をつけてますよね。最後に、好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えてください。
 好きな食べ物は餃子とお寿司。回転寿司とか好きですね。島のものでは島メロンが好きです。さっぱりしていて。嫌いな食べ物はアクの強い漬物が苦手ですね。わさび漬けとか奈良漬けとか。ぬか漬けは好きなんですけどね。


__以上、刺繍作家・東海林ミモザさんのインタビューでした。



「やまんばハウス」でランチを食べながらインタビュー 

わたしも子どもが小さい頃にソーイング(縫物)にハマっていた時期があったので、とても楽しくお話を伺いました。ミモザさんとちゃんとお話しするのは初めてで、前から聞いてみたいと思っていたことがたくさんあり、インタビューというより、ランチを食べながら普通にいろいろ話し込んでしまいました。結果、録音したテープを聞いても話が飛び飛びで、まとめるのにいつも以上に時間がかかってしまいました。インタビューをしたのは8月27日(火)ですから、1ヶ月も経ってしまいました。深く反省しております。

またいつかゆっくりお話ししてみたい素敵な人でした。
今後も八丈島の刺繍作品をたくさん作っていただき、いつか八丈島図鑑みたいなミモザさんの作品展を観に行きたいです。楽しみにしてますね♪インタビューさせていただきありがとうございました。


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