何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

資生堂「ノルマより信頼」

2007-01-16 13:53:48 | いいものはいい
 気に入って買った新着のスーツを着て授業参観に出かけた母親が、同じ服を着た母親と遭遇して、一転、恥ずかしさと悔しさにさいなまれる、「どうして、買う際にそのことを確認しなかったのだろう」と。
 販売員も売ったら終わり、買ったら終わりではない。歯の浮くような言葉で喜ばせて買わせても、帰宅してみたら逆の評価になるようであったら、後で「売りつけられた」と販売員に不信感を持つ。
「顧客不満足の実践解決法」兼村美徳・著、繊研新聞社、p.88-9

 目先の利益(売り上げ)でなく、もっと幅広い視野を持って、本当の顧客を作っていくことがいかに大切か。


資生堂「ノルマより信頼」 必要のない商品を買わせればマイナス
 (朝日新聞 2007.1.15 より一部転載)

 「商品・サービスなど企業活動の『品質』はたし算ではなく、かけ算。一つでもゼロがあれば、すべてがゼロになる」

 前田社長は「ノルマによる売り上げの『上積み』なんて、必要ない」と言い切る。なぜ、脱「たし算」なのか。

 むやみに「たし算」による成果を求めたところで限界はある。「大切なのは、今日買わなくても『資生堂と一生付き合いたい』というお客さまを増やすことだ」。
 カギはお客さんの信頼だ。だが、「ノルマの影響で大切なお客さまを失っていた」と前田社長は考える。BCがノルマ達成に向けて、がんばれば、がんばるほど同社の売り上げは伸びる。だが、お客さんは必要のない商品を買わされかねない。

 顧客を大切にすることに異論はないだろうが、ノルマ廃止に代表される、一見、売り上げの確保を横に置くような考えには抵抗が強かったようだ。資生堂に見る「売り上げが減ったらどうするんだ」、「BC(ビューティーコンサルタント)がなまける」などと批判は、その不安の強さを示すものだろう。だから「売る」「買わせる」ことを企業は“正しい”と信じて疑わない。

 買う・買わないの決断は、売る側が制御できるものではないから、いかにその判断に持っていくかは、その価値を顧客側が納得しなければならない。また、一時的に無理矢理買ってもらったところで、無理した分は、ツケを負わせることになる。不満の火種を残すことになる。

 然るべきことをすれば、買ってくれる(売り上げが発生する)保証がない。その中での資生堂の舵取りは、英断だろう。目先の売り上げで利益が得られても、継続しなければ意味がない。むしろ目先にとらわれるあまり、不満を残すようでは顧客離れにつながる。繁栄を望むようで、自傷行為でもある矛盾を感じる。

 資生堂の今後は注目されるが、ただ羨ましく見ているだけでなく、自分を取り巻く環境においてもぜひそうあって欲しいと願わずにはいられない 

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